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SEVEN SEALS / ANTHONY. B[STAR TRAIL / VP / VPRL1557] アントニーBと言えば、ルーツ調の渋いトラックだろうが、イケイケだろうが、明るめだろうが、そこにリディムがあるならば、その上を見事に乗りこなす器用なアーティスト。しかも、そのリリックスにおいては、過激とも言えるメッセージを一貫してタイトに歌い上げる。この一点に尽きるとも言える彼の最大の魅力を、スター・トレイルの盟友リチャード・ベルが遺憾なく引き出している。そんな強烈な一枚。[輸入盤](根岸誠) |
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THE ANTHOLOGY / FREDDIE McGREGOR[BIG SHIP / VP / VPRL1528] 現在も新曲をリリースし続けているベテラン・アーティスト、フレディ・マクレガーのベスト盤『The Anthology』。70年代のStdio1の大名曲「Bobby Babylon」「Africa Here I Come」等から80年代の名曲「Big Ship」そして90年代に入ってのSteely & Cleevieプロデュース等のヒット曲、名曲を集めた正に究極のベスト盤と言える内容。Loversファンに人気の「So I Will Wait For You」も収録。コノ一枚で彼の偉大さを再確認。[輸入盤](坪木良典) |
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SELECTION TRAIN / GLEN WASHINGTON[FIRE&ICE / R2B-088] あまり聴いた事のないレーベルからグレン・ワシントンのニュー・アルバム。派手な音使いも無く、シンプルな音が軸となっているため、全体的に地味な印象を受けるかもしれない。だけどそれゆえG.ワシントンのインパクトのある渋い声が良く生かされていて、素晴らしく優しさに満ちたアルバムになっています。なんかニュー・ルーツっぽいような気のするジャケがヘンな味になってるのもイイ。[輸入盤](鎌田和美) |
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SONGBOOK - CHAPTER A DAY / JACOB MILLER[VP / VPRL1561] 未だ人気の萎えないジェイコブ・ミラーのベスト盤。しかもオマケにルシアーノ、トニー・レベル、キマーニ、サンチェス、フレディ等の豪華メンツをフューチャーした曲が8曲も入っている。レッド・ラットやディグリーのコンビはびっくりで賛否別れる所でしょう。残り25曲はインナー・サークルのベスト・チューンで、原曲は壊さずにしかも音は良しなので、かなり楽しめるアルバムなのは間違いないでしょ。[輸入盤](鎌田和美) |
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STONE COLD WORLD / DENNIS BROWN[VP / VPRL1558] 今年、惜しまれつつも亡くなってしまったデニス・ブラウンのラスト・アルバム。ガッシーがプロデュースをしたとなれば、90年代初期の名盤『Unchallenged』と『Over Proof』を思い浮かべるが、両者が久々にタッグを組んだ本作もディレイやリヴァーヴをガンガンに効かせた、もろミュージック・ワークスな音。声はちょっとシワガれているけど、全曲全力投球といった熱唱で、素晴らしい完成度。[輸入盤](大場俊明) |
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IT TIME / AL SILVER RUBEN[DRUMSONG / DSR003] UKドラム・ソングからの新作だが、録音された時期は2〜3年前のものが殆どで、彼自身の1stアルバムにあたるもの。内容としては、打ち込みスタイルのいわゆるデジタル・ルーツ。アナログ盤では「Jah Jah Reign」「How Sweet It Is」のカップリングで1枚出ているのみで、他は未発表ソング。全10曲+ダブ・バージョンで80's後期JAのミュージック・ワークス似のサウンドに仕上がっている。[輸入盤](長井政一) |
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CONSCIOUS SOUNDS FROM BEGINNING TO
END / V.A. UKダブヘッドよりコンシャス・サウンズのシングル・コレクション。Vol.1に続き、リリースしたシングル集の後期編2枚組CD。内容等は96年〜98年までの間にリリースされた7インチ、12インチ等のシングルからピックアップしたもので、テナステリン、ブッシュケミスト、カルチャー・フリーマン、タラワー等、シンガー&DJそしてインストゥルメンタルとルーツでも内容は様々。全曲ダブ・ヴァージョン付。[輸入盤](長井政一) |
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MASTERPIECE / DJ HASEBE & DJ
MAGARA ここ最近の日本のヒップホップシーンでも代表的なDJ達がダンスホール物を好んでプレイすると言った話を良く耳にする。そしてこのCDはそんな現状を現した物。DJ Hasebe、DJ MagaraによるミックスCD。ダンスホール・トラックによるブレンド物の聴き物もあったりするが、基本的にはダンスホールの流行りを押さえつつ、いい意味でこだわりのない選曲で音楽好きとしての欲求が随所に感じられる。(前田和彦) |
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SMOKE THE HERB...THE 2ND POUND / V.A.[VP / VPRL1564] 95年にリリースされたガンジャ・ソング集第2弾。前回は裏ジャケに山盛りに積まれたガンジャがインパクト大でジャケ買いする人も多かったが、今回はビニール袋に入ってしまったネタがインパクトに欠けてしまうジャケット。しかし内容は前回よりさらにパワー・アップした正にハイ・グレイドなネタだ。Luciano、Morgan Heritageの未発表曲もつまれた内容でブッ飛ぶこと間違いなしの極上ネタである。[輸入盤](板倉隆也) |
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GRASS CYAAT / V.A.[PLATINUM / CALL ME SHAMS / PDCMS0001] 最近出回っているリミックスモノにも使用されている、人気リズム "Grass Cyaat" のワンウェイ。仕掛け人はあの大Hitリズム "Baddis" の開発者Richard Browneなる人物。今後のダンスホール界に、何か斬新なリズムを開発していきそうな気配アリ。注目の7"未発表曲は、Spragga「High Grade」やElephantman「Uku Bit」等。セレクターの皆様も要チェックで御座います。あなどれないワンウェイアルバム。[輸入盤](坪木良典) |
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GREENSLEEVES SAMPLER VOL.20 / V.A.[GREENSLEEVES / GREZ20] サンプラー・シリーズも20作目のリリース。今回もサンプラーで、低価格ながら内容は大充実。Capleton、Bounty Killerの最新ヒットチューン(アルバムリリース時点ではBountyのシングル未リリース)満載で、ダンスファンなら必ず楽しめるお買い得盤。Luciano以外は全てイケイケジャグリン・チューンでちょっと同レーベルの『Ragga Ragga Ragga』シリーズと内容が似ちってるけど安いからネ。[輸入盤](板倉隆也) |
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RAGGA RAGGA RAGGA 13 / V.A.[GREENSLEEVES / GRELCD253] お馴染みの「Ragga×3」シリーズですが、前作に比べての個人的衝撃度は正直落ちました。とは言ってもリアル・ジャマイカお届け盤なので、注目アーティストのニュー・チューンが今回もギッシリ! ビーニマンの「Forget You」、同リディムのコブラ、ワード21制作の「Da Joint」リディムの数曲などはカッコイイ! それからこのシリーズはどの曲を取っても音質の良さは並みじゃないので感動度アップ。[輸入盤](前田和彦) |
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JEハートブレーク/ジャギッド・エッジ[ソニー / SRCS-8933] Pro.にジャーメイン・デュプリを招いた新作。荒削りな輪郭を持つヴォーカル・ワークは相変わらず強靱。その印象は彼らの根がストリートにあることも示唆している。だが彼らの場合、特に目が行くのはその題材だ。恋における失意、求婚、誠意といったモチーフが、一時期ハヤッたナヨり気味の男達とはまた趣の違った登場人物を通して描かれている。斬新なサウンドも随所で見られるのに、中心はあくまで彼らの歌声だ。(石澤伸行) |
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チョコレート・ムード/マーク・ウェルソン[ソニー / SRCS-2120] ベイビーフェイスの威光もあらたかだったアズ・イエット。ここで安定したリード・ヴォーカルを務め切った後、ライターとしてその名をシーンに刻み続けてきた男が、いま一度“歌”で勝負を賭けてきた。アイドル的な売りやポップ層も視野に入れていたあの頃とは一転、ここで展開されるのは、R.ケリーもびっくりの性愛路線だ。作り込まれたトラック上で映える“泣きっぷり”には、特濃の男汁が滴っている。(石澤伸行) |
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ネクサス/アナザー・レベル[BMG / BVCP-21092] ジェイZのご加護の下、アルバム・デビューを果たしたのが、僅か10ヶ月前。本作の制作陣には、ロドニー・ジャーキンス、カットファザー&ジョー、ゴードン・チェンバースらを迎え、本場米国をにらんだ布陣で望む。声の固まりに重量感はない。ただ、UK的メロウネスが醸し出すヴァイブは、ハイ・ファイヴのカバーなんかで見事、開花している。現行シーンにあって、この爽やかな風通しの良さは貴重かも。(石澤伸行) |
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イマジン/イマジン[エイベックス/ AVCZ-95122] 鮮やかなシングル展開以降、ジラされたアルバムが遂に発売。単なる歌好きの子供達かと思いきや、メンバーの数人は演奏やプロダクションへも関わるれっきとした音楽家。バイオにはブルー・マジック、ジェラルド・リヴァートから宇多田や安室といった、戦略面では申し分のない名前が並ぶが、歌が主張する部分には、全くウワついた所がない。このオーソドックスな振るまいは、必ずや好事家をもニヤリとさせるはず。(石澤伸行) |
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フォー・ホワット・イット・イズ/ヴァレリー・エティエンヌ スニーカー・ピンプスらを輩出したロンドンの“クリーン・アップ”が自信を持って送り出す女性シンガーの初ソロ作。彼女、あのガリアーノの3枚のアルバムでも印象的な歌声を披露していた人物で、今作でもその流れにあるジャジーなテイストのトラックやボサノヴァ調の物など、“UKソウル”ならではの間口が広く自由度の高いアーバン・サウンドをバックに、様式ではなく“声”そのものでソウルを伝えている。(二木崇) |
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ドライヴ〜ナイト・クルーズ/U-KEE Zeebraをフィーチュアした1stシングル「I'm The One」が好評だった彼女の新曲。今回もプロデュースはKensawが担当し、チキチキを消化したフューチャー・トラックでU-Keeのヴォーカルのまた新たな魅力を引き出す事に成功している。フィーチャリングされているMC Ichi(元3Aブラザース。Kensawとの2 Win Dopeの作品も控えている)の絡みもバッチリ格好いいこの曲、この秋一番のクルージング・トラック。(二木崇) |
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ターボ/UA[ビクター / VICL-60473] UAとダブ。UAとアコースティック・インストゥルメンツ。そんなサード・アルバムをリリースしたUAは、歌唱力云々というよりアーティストとしての表現力を完全なものにしたのだろう。繊細なそのタッチは空間的なダブや、アンプラグドな楽器によってさらに剥き出しにされている。音楽でリスナーの時間軸や音空間、更にはそこに広がるイメージまでをも支配するUAこそ、ディーヴァの称号を与えられるべきと痛感させられる傑作。(高橋晋一郎) |
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トゥー・カム…/サイレント・ポエツ もはやジャパニーズ・ダブ界の重鎮となりつつある沈黙の詩人ことサイレント・ポエツ、6枚目。ヴァージニア・アストレイやカースティ・ホークショウなどの女性ヴォーカリストやテリー・ホールから女性ヒップホップ・グループ、アノーマリーズまでを迎えて新世界を構築。言葉にし難いエモーショナルでイマジナティヴ、それでいてエッジの鋭いサウンドが素晴らしく、今回は特にタイトな音の鳴りが抜群。(高橋晋一郎) |
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ラム・ジャム・ワールド/ラム・ジャム・ワールド A.K.A.バウンス移籍後、2枚めのアルバムをドロップした彼ら。ヴォーカリストに新メンバーとして木立佐織を迎え、DJハイプ&DJジンクやシャイ・FXにエド・ラッシュ&オプティカルらのUK屈指のドラムンベース・クリエイターのリミックスやライムスターにリョー・ザ・スカイウォーカーらの日本勢を始め、USからはスピーチが参加。シーンの中でも独自のポジションに位置するラム・ジャムの音楽性は今回も健在。(高橋晋一郎) |
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カーム・プレゼンツ・ ムーンエイジ・エレクトリック・
エンセンブル/カーム 卓越したセンスで国内は勿論のこと、海外のレーベルからのオファーも多いFARRのプロジェクト、カーム、待望のセカンド・アルバム。星野之宣のSFコミック「2001夜物語」にインスパイアされたというこの作品は美しいアンビエンスなムードを基調にジャズやエスニック、そしてブレイクビーツの要素を含みながらコンセプト・アルバムの如く展開。1999年のジャパニーズ・スタンダードはここまで来ていることを実感。(高橋晋一郎) |
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ソウル・フード/V.A.[ソニー / AICT -111] LTJブケムが主宰することでお馴染みのグッド・ルッキングのサブ・レーベルとなるクッキンのコンピ盤登場。同じようなレーベル・コンセプトとして4ヒーローのディーゴが進める2000ブラックなど、ドラムンベース以降のブレイクビーツの新たな可能性が模索されるなか、いかにもブケムらしいと納得させられるジャズやニュー・ソウルをベースにした透明度の高いブレイクビーツ・サイエンスが行われている。(高橋晋一郎) |
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サンズ・オブ・スーパー・エイプ/V.A.[ソニックプレイト/ SONIC011] タイトルを見れば察しがつく通り、リー・ペリーをリスペクトして止まない日本のダブ、ノイズ、アバンギャルド系アーティスト(Blast Head、L?K?O?、Hair Stylistics、Woodman等)によるトリビュート・アルバム(カヴァー集ではない)。音頭取りはやはりリー・ペリー・マニアでもあるダブ・ソニック。リー・ペリーが音楽史に残した大量の異物は、飄々と国境とジャンルを越えていた。(大場俊明) |