暑中お見舞いじゃなくて、もう残暑ですね。この原稿を書いている時点では、NYはやや落ち着いて、仕事しやすい気候となりました。ウッド・ストックのダサさでアメリカの音楽シーンに幻滅を感じていた私ですが、皆さまはどんな印象を受けました? 個人的には、健康を害し、初めてER(エマージェンシー・ルーム、日本だと緊急治療室かな)なぞに入るというハプニングも有りましたが、アメリカの医療は遅れていると痛感しました(点滴で腕が腫れてしまった。しかし、今年は気管支炎とか、肋骨を折ったり散々な私で健康は本当に宝です Get Well Mr.EC)。とはいえ、翌日から普通のスケジュールで働いている私です。Ex-Prezのシングルもこの号が出る頃には仕上がっているので、又改めて皆さまに御挨拶出来る事を楽しみにしております?

●今月のスニーク・プレヴュー
 ベスト盤は高すぎて売れない? なんて噂のギャングスターの核、DJプレミアがソロ・デビューの模様。そのベスト盤のプロモーションのインタヴューで今秋に彼名義のアルバムがドロップされる事を明らかにしていたプリモだが、メンツは彼の周辺アーティスト、フレディ・フォックス、MOPを中心に、人気ラッパーが参加する模様。レーベルはファット・ジョー率いるテラー・スクワッドで、勿論テラー・スクワッドのメンツも参加。尚ビギー・スモールのアルバムでも一曲彼による制作のものが入る予定で、神話が再現される様だが、一連の2パックの作品集みたいなお粗末なモノにならない事を祈ります?

●今月のジャム
 レイプ騒ぎとか、再びNYの槍玉に上がっているクラブ、トンネルで7月18日最後のアルバムをドロップしたEPMD(写真)がライヴを行った。どうやら、EPMDは解散ではなく名義を変えるとの事だが、ステージではその貫録をたっぷり見せ、最近のラッパーのステージの駄目さ加減を痛感させてくれた。内容は、新作中心でゲスト多数。特にシングルでスピットしているレイディ・ラックが目立った。ベテラン勢の失敗続きが、目に付くような今だが、彼らの様な存在を見るのは安心させられる。ここで、次のアルバムのタイトルをプレゼントしよう。
『Under New Management』?

●今月のエギジビット
 NYグラフ界の貴公子、スタック君が参加したストレス・マガジン主催のショーが7月23日、ラドロー・ストリートの113で行われた。2フロアに渡るイヴェントだったが、生のスタックを見た日本のファンも多かった。ショウの内容はスタックのクルーTFPのアーティスト、セント、ノアを含む12人のアーティストのグループ・ショウでトップ・フロアではDJロック・レイダー等のパフォーマンスもあった。前回紹介したエスポも参加。エスポの本のテストをその時の見た人も多いと思うが、中々の出来。再び、盛り上がりを見せるグラフ・シーンだが、ヒップ・ホップの最後の良心にありつつある事を感じさせる?

●今月のリミックス
 そのヒップホップの良心が垣間見れない音楽の方ですが、またまたがっかりさせるリミックスが登場。なんでも日本で先にブレイクしたらしいリッキー・マーティンのヒット・シングル「Livin' Vida Locca」のリミックスで、ファット・ジョーとビッグ・パンがスピットしてます。金なら違う方法で作ってくれよという事で、これ以上のコメントは控えさせて貰います?

●今月のプレイヤー
金を作るなら、違う方法もあります。弱冠18才のフォクシー・ブラウンが、なんとカルヴァン・クラインのモデルとして、ビル・ボードに登場。更に今度は、レヴロンのCMのスポットもやるという噂。ヒップホップも来るところまで来ました。その内、日本のCMでカップ・ラーメンでも売るか。広告業の人、青田買いなら今ですぜ?