[J&D RECORDS / JDLP-0012]
言葉を武器に闘うラスタ三賢者。コンシャス/ラスタ系アーティストとして代表的なこの3人をコンパイルした作品。Henfield、CB 321、Kariang等の音源を使用した本作は、各々アーティストをアルバム単位でしか知らない人にとってもお買い得な内容。勿論未発表曲も収録され、シングル派も見逃せない。こういった作品が3人の超良質アーティストの入り口になれば…と思う。すべてのレゲエ賢者達へ。[輸入盤](水野智之)
[HEAVYBEAT / VP / VPRL1526]
大ベテラン女性シンガー、マーシャの久々のフル・アルバム。マーシャももう45才。大御所中の大御所だ。女性シンガーでデビュー以来、コンスタントにリリースし続けるのはマーシャぐらいであろう。本作はFat Eyesからのシングル。Heavy Beatプロダクションを中心に構成された全曲ラヴァーズ・ロック。Penthouse時代のアルバムに比べると少々インパクトに欠けるが、聞いてみる価値は有り。[輸入盤](板倉隆也)
[KINGS OF KINGS / NO NUMBER]
彼のメイン・リリース・レーベルであるKings Of Kingsからの彼の初LP。同レーベルはラスタ系の味のある作品を輩出する事で定評があるが、期待通り好作品に仕上がっていると思う。大ヒットした「Persistence」を筆頭に現在までの“ノリ”の足跡をたどるには最適な作品。しかしあのシズラでさえチャート上では苦戦している現状に於て真価が問われるのはまだまだこれから。引き続き今後の健闘を期待。[輸入盤](水野智之)
[VP / VPCD 1538]
待ちに待ったサンチェスのゴスペル・アルバムが遂に登場! 全12曲の内レゲエ・トラックが3曲、あとは全てスウィートなゴスペルといった最高の内容。ライヴではよく歌う「Amazing Grace」のメロウ・ヴァージョンを始め、Stingの時にアカペラで歌った「Home Coming Day」、どの曲も心に染みるからシンガー好きは要チェック! 個人的には'99年の「Riddim Count Down」ベスト・アルバムはこれで決まり
[DUBHEAD / DBHD15LP]
今やUKダブ・シーンでは有名なユニット、メッセンジャーのダブヘッドからのNew。中心人物的存在 のダギー・ワードロップ とJ・プレントハリソン両氏によるプロデュースで、以前、本誌で紹介したコンシャス・サウンズ・スタジオで作られたDubwise。キング・タビーを意識した様なスプリング・リバーブを効かせたダブ・サウンドで、サンプリングから生ホーンセクションも使用した重圧UKルーツ・ダブ。[輸入盤](長井政一)
[MOONWAVE / NO NUMBER]
ディサイプルズ分裂後、彼等の作品もインストが減り、ヴォーカルをフィーチャーした物が主流になっている様だ。本作はヴォーカルにウェイン・マッカーサーをフィーチュアしたショーケース・スタイルになっている。ウェインはJamaican Styleとは違ってUKルーツ独特の唱法をするナイスなシンガー。サウンドの方も相変わらず独特の男らしい硬い曲作り。ダブも一曲一曲凝っていて中々ですぞ!
[ROIR / RUSCD8254 ]
パンク畑出身のレゲエ&ダブ・ファンは日本にも多いが、ここで紹介するフェイズ・セレクター・サウンドも、クラッシュの「ポリス&チーフ」「アルマゲドン・タイム」等にインスパイアされ、その後すっかりハマってしまった輩、だそうだ。音はいわゆるニュー・ルーツではあるが、UKモノとは一味違ったニュー・ウェイヴ的なアプローチが随所に伺える。テクノやアンビエントが好きな人にもOKかも。[輸入盤](児玉雄大)
[HEARTBEAT RECORDS / HB191]
ジャケット写真を見ればお分りの通り、まだルード・ボーイだった頃の彼等がスカを演っていた頃のレアな音源集。だからといって決してマニアだけの物ではなく、R&Bテイスト溢れる曲があったり、何かを予感させる衝動を感じさせる曲があったりと、単純にかっこいい曲ばかりが詰まっている。因みにタイトル曲はブジュ・バントンも演った曲。アコースティックなバラードも聴き逃せませんよ。[輸入盤](鎌田和美)
[IMC / JMC200.243]
Studio 1からのヒット曲「Easy Snappin」で知られる彼の自身のレーベル、King Pioneerの作品集(イギリスでもBlue BeatやIsland等から発売されていた)。61年から65年までのR&Bマナーで軽快なアーリー・スカ・ナンバ−が聴ける。中でもコクソン・ドットに向けた「Mr. Downpressor」なんて曲は歌詞的にも興味深かかったりして面白い。他にも色々なアーティストにカヴァ−されている曲も多い。[輸入盤](前田和彦)
[KINGS OF KINGS / VP / VPRL2102]
イメージは地味かもしれないけれど、手堅いというかしっかりとした音作り、そしてメリハリのある高音と低音のバランスがとれたいかにもダンスホール向きなサウンドが詰まったこのオムニバス盤。収録メンツも一線で活躍してる人達(ゼブラ、ビーニマンなど)ばかりだし、これが現在のダンスホール・レゲエの一番典型的な在り方を示す好サンプルなのではないでしょうか。[輸入盤](鎌田和美)
[VP / VPRL-2099]
ちょっとマイナー・レーベルながら、渋めのリメイク・リズムでルーツ&カルチャー路線を攻めまくる注目のレーベル、Kickinのオムニバス。「Loving Pauper」(Dobby Dobsonの名曲)、「Guiding Star」(Heptonesの名曲)、「Gun Man」(Michael Prophetの名曲)のリメイク・リズムに加えて、2曲の未発表ラヴァーズで構成したもの。Anthony B以外は全てシンガーで、歌もの好きのあなたは要チェック。[輸入盤](板倉隆也)
[BLOOD AND FIRE / BAFCD 028]
いつもになく可愛いジャケットのBlood & Fireからの新作は、現在はミキシング・ラブのオーナーのロイ・フランシスが77年にスタートさせたレーベル、Phase Oneのコンピ。「Waiting In The Park」でお馴染のThe Chantellsを中心に、マイナーながら良質なチューンばかり。殆どの曲が12"のヴァージョンなので、Jojo HookimやE. Thompsonによるスモーキーなダブ・ミックスもたっぷり楽しめる。[輸入盤](大場俊明)
[V2 / V2CI-54]
父親であるボブ・マ−リ−の面影を彷佛させる乾いた声。また自由奔放な音楽性でありながら、しっかりとした方向性を感じさせるメッセ−ジがこのアルバムから聴ける。悲痛さを感じさせる歌声をアコ−スティクに聞かせる1曲目。リラックスした歌声でラスタマン的ラヴソングをメロ−なトラックで歌う曲。父との思い出を語りながら捧げた心温まる曲等々、彼以外の誰でもない今を生きるボブ・マ−リ−の息子、Ky-maniが聴ける。(前田和彦)
[ユニヴァーサル / MVCE24168]
既にシングル展開済みのローリン提供曲では、これまでの女王様らしからぬハッピーな表情を見せるが、DMXとナス参加のヒップホップR&Bやベイビーフェイスが提供したアレサとのシャウト合戦という場では、期待に違わぬメアリー節を披露。元カレ/K-Ciとのデュエットも、凄いものを見せてもらったと思うに足る絡みっぷりだ。先の特濃ライヴ盤以降、なおズルむけであろうとする彼女に役者の違いを感じる。(石澤伸行)
[BMGジャパン/ BVCP-21077]
SWVの元構成員、ココがソロ・デビュー。「The Boy Is Mine」以降を強く感じさせる1stシングル「Sunshine」を手がけたロドニー・ジャーキンスを筆頭に、制作陣には錚々たる面々が。華やかなメロウネスで一杯のVoが、疾走感のあるトラックをぐいぐいと引っぱっていく様を見るにつけ、この声がSWVのグループ・イメージのかなりの部分を決めていたことを再認識させられる。タイリースとのデュエットあり。(石澤伸行)
[ユニヴァーサルビクター/ MVCU-24055]
チコ・デバージ・プロデュースの1stシングルで既に好事家を唸らせているこの男、何と高校時代にK-Ci&Jojoと共にグループを組むことを約束していたという。ゴスペルの洗礼を受けているとはいえ、スムーシーを旨とする彼の歌い口は、奇を衒わぬ粒立ちの良いサウンドと絶妙な相性を見せる。イマに媚びることもなければ自らの喉ぢからにふんぞり返ることもない一本気な歌への姿勢…信じられる男の登場だ。(石澤伸行)
[東芝EMI / TOCP-65289]
早熟のマルチ・プレイヤーであることに加え、ジョン・P・キーやコミッションドの下で腕を磨いたという経歴の持ち主である。当然の如くその背景には教会が見え隠れするのかと思いきや、彼の身から放たれる音の質感は生々しい魅力に満ちていると同時にかなりルードだ。「No Diggity」のヒップな解釈、ディアンジェロを彷彿させる声の重なりやスライ並みの高ファンク度数は、現行シーンにあってひときわ輝く。(石澤伸行)
[ビクター / VICL-35078]
昨今の“ジャパニーズR&Bブーム”よりもずーっと前からリアル・ソウル・ミュージックを歌っていたOritoのNewが凄いコトになってる! トラックをDJ Hasebeが志願し制作、Oritoとの共演はこれが2度目となるK Dub Shineをフィーチュアしたタイトル曲は、99年のクラブ・アンセムに早くも決定。あの「Devils Pie」をも彷彿させる名曲だ。Oritoの唱法の引き出しの多さに感服。併録曲もバッチリ!(二木崇)
[マーキュリー / PHCR-14011/2I]
アルバムと同タイトルのシングルがモ・ワックスからリリースされてから一年以上ものインターバル。誰もが心待ちにしていた、ペシェイのアルバムが遂にリリースされた。ウッド・ベースが超ファンキーな、彼特有のいわゆるジャジーなドラムンーベース…かと思いきやR&Bライクなナンバーからロー・ビートものまでフォローした多彩な構成。99年のレア・グルーヴがあるとすれば、まさしくこのアルバムは代表格だろう。(高橋晋一郎)
[ソニー/ AICT82]
タイトなリズムと怒濤のグルーヴ、独特の存在感を醸し出す女性ヴォーカル、ロニ・サイズがリプラゼントに続いて手掛けたニュー・プロジェクト、ブレイクビート・エラのファースト・アルバムはまたしてもとんでもない傑作になってしまった。ニュー・ウェイヴの香りをぷんぷんさせた、極太のドラムンベース。ブリストルは死なず。この3人の最高のヒーロー、ロニとDJダイ、レニーに心からのリスペクトを。(高橋晋一郎)
[トイズファクトリー / TFCC-88221]
ダスト・ブラザーズのレーベル、アイディール・レコーズからアメリカ・デビューも果たしたナチュラル・カラミティのサード・アルバムが発表された。この作品から森俊二のソロ・プロジェクトとなり、今回はイギリス人ヴォーカリスト、ウィルをフィーチャーしている。あくまでロックに重心を置きながらも、ヘッズな今の空気感をたっぷりと吸ったアブストラクトでオルタナティヴな音作りが成功した希有な一枚。(高橋晋一郎))
[ボンジュール / BONCD-001]
日い出る国の音源でまとめられたコンピレーション。録音年代が70年代から80年にかけてのジャズ〜ジャズ・ファンク〜ブラジリアン・テイストな曲の数々。収録アーティストは日野皓正、高中正義、ポンタ村上、ジョージ川口などなど。もうお分かりの通り、当時はどうであれ、今ではクラブ・ミュージックとしても通用するジャパニーズ・ジャズがコンパイルされているわけ。日本初の日本発ジャパニーズ・ジャズ・コンピ。(高橋晋一郎)
[ソニック・プレート / SONIC 010]
ジャケットを見れば一目瞭然、今飛ばしまくりのレーベル、ソニック・プレートのドン、ダブ・ソニックのラテン音楽用変名ユニットのセカンド・アルバム。リー・ペリー・チルドレンならではの陳腐な感じの飛ばし系音処理は相変わらずだが、何度聴いてもついニヤついてしまうのは彼の術中にハマってしまったから? 今回はスカやラガマフィン的アプローチも加えて、更にインチキ臭さに磨きがかかった。(大場俊明)
[エイベックス / CTCR-14136]
天下御免、世界一のベース・コンピ・シリーズの最新作は、秋仕様の切ない系ミディアム歌物から本流のイケイケのベース・ラップ、超エレクトロなインストまでをノンストップでコンパイル。中でも "話題" を呼びそうなのがあのユウザロック★がベース・フリークの為に録り下ろした新曲(本作のみに収録)と、あの「Automatic」のカヴァー(マイアミ制作!)!! 低音フェチならゼッタイ◎。(二木崇)