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COOL WISE MAN
 
Text by Masaaki Okino / Photo by Koichi Uchida (Studio Bamboo)
 

 6枚目のアルバム『We're Living』を発表したBAGDAD CAFE THE trench town。メンバーのRaita、番長、マイケル★パンチの3人に新作と彼等の現在について話を伺った。質問に対し3人がそれぞれの意見を補足しあう形のインタヴューなので誰の発言かは省略した。
 
 自分たちのスタジオも完成して、練習や録音、ミックスをする時間がかなり自由になったのですが、どうやっても当然、僕達なりの音になりますよね? 新作ではそれをどう色付けしてサウンドに幅を持たそうかと考えた結果、拳PowaのKon"MPC"KenさんとニューヨークのWackiesレーベルのBullwackieにミキシングを依頼しました。Kon"MPC"Kenさんは今のジャマイカのダンスホール・レゲエ・サウンドを熟知してますし、音色や音のヌキ方がまさにダンスホール。そしてBullwackieがやってくれた「We're Living」やそれのダブ(「We're Dubbing」)、ピアニカを入れたインスト曲「Back Yard」などはまさに望んでいたWackiesの音に仕上げてくれました。そういうメリハリがこのアルバムのカラーになったと思います。
 
 Bullwackieに参加してもらった経緯は、昨年の春にRaitaがRas Takashiさんと一緒にWackiesに行った時に作品を聞いてもらっていて、「新作のミックスはぜひBullwackieに依頼しよう」ということになりました。実際、Bullwackieから得たものは大きいですね。OKテイクを目指して延々と録音するのではなく、自分が弾いたものはどれもがOKテイクと思って録っていったので、それぞれの演奏の自由度が反映されたと思います。お陰でテイク数も凄く減りましたし。
 
 そう言えば、ここ数年、ライヴでも毎回違うものが生まれることがバグダッドの中で普通になってきましたね。最初の頃のバグダッドは「決め」のある演奏だったけれど、メンバーそれぞれがレゲエを吸収するにつれ「弾かない美学」であったり、誰かの突発的なフレーズにメンバーが瞬時に呼応し合ったり。そういうバグダッドの音、演奏、歌が完成されてきてるんだと思います。これは長い間一緒にやってきた結束力の賜物でもあるし、個々が他の活動で得たものでもあるし。それらを演奏にフィードバックしてライヴをしたり、作品を作って行くことができるようになったんだと思います。
 
 マイちゃんのヴォーカルも『Passing Point』(2007年作のコラボレーション・アルバム)や他のアーティストたちとの共演を通じて、瞬時にその場その場で対応できるレゲエ的というかラバダブ的なセンスやスタイルが出来てきましたし、歌詞の世界にもタブーがなくなってきたと思います。そういう意味でもバグダッドは成長したんだと思いますね。
 
 Bullwackieは予想以上のテイク数をミックスしてくれたこともあってダブ・アルバムを作ることにも興味はあります。でも、Wackiesで云々ということは確かにトピックではありますが、僕たちの音楽を聴いてくれているファンのみなさんに対してコアな方向から突き放すのではなく、教育というほどエラそうにでもなく、あくまでも僕たちと同じ目線で、Kon"MPC"Kenさんが作るレゲエの音やWackiesの音についてとか、そういうものに興味を持ってもらうかけ橋的な作品になればいいですね。

 

"We're Living"
BAGDAD CAFE THE trench town
[Victor / VICL-63359]

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