SPICY CHOCOLATE
RAGGA BLAZE FROM EAST
Interview by Nobuhiko Mabuchi / Photo by Kazumichi Kokei
草創期より長きに渡りジャパニーズ・ダンスホール・レゲエ・シーンをさらにステップ・アップさせようと自らの手でプロデュースからトラック・メイクまでこなしてきたHase-TとSpicy ChocolateのControler。個性は違えど共に東京育ちのその両者が同時期に人気シリーズの最新作をドロップ。それぞれに話を聞いた。
15周年を迎えるSpicy Chocolateプロデュースの名物コンピレーション『東京Ragga Blaze』第3弾。Ent Deal Leagueをはじめ東京を代表するアーティストを中心に、ビッグ・チューン誕生も期待できる豪華3ウェイ・アルバムだ。Rudy-Eのジャケが目を引く、ミックス・サイドを加えた2枚組仕様!
●改めて『東京Ragga Blaze』シリーズのコンセプトを教えてください。
Controler(以下C):1曲でも、ワン・フレーズでも、ワン・フックでもいいから、聴いた人に何かメッセージを伝えることだね。あと、クラブでかけて踊ってもらえる日本語のレゲエを作ること。ジャマイカの曲で踊るのは当たり前の状況だけど、これからは日本語のチューンをかけても踊って楽しめる状況にしてかないと。そういう要素をひっくるめて『東京Ragga Blaze』だと思ってる。
●Spicy Chocolateが活動をはじめた90年代半ばから後半にかけて、日本のレゲエの状況ってよくなかったじゃないですか。東京は特に。それでも今までやり続けてきたからこその作品って感じなんでしょうか?
C:昔できなかったことを、いろいろ巻き込んで巻き返したいって気持ちはあるね。今は若手を育てながら、どう進化していくかってところが重要だと思う。「あいつはレゲエじゃない」とか変な派閥意識とか、そんなのはどうでもいい。いい意味でユニティして、原点に戻って考えなきゃいけない時期にきてると思うね。そんな想いを、俺なりの表現でやっていければなと。
●メンツを見ただけでも、他のコンピとは違うラインナップですよね。
C:そこがボーダレスな部分で、すべてがガイダンスで繋がってる。ダンスホール・フィールド以外からDabo、Miss Monday、Lunaが参加してるのも、そういうことだね。
●制作の取っ掛かりはリディムから?
C:そうだね。Breden BandのHiedaくんとLuchaの2人と一緒に作ってるんだけど、毎回同じチームでやってると研ぎ澄まされていくし、今回もスキル・アップできたと思う。
●今回も3リディムのセグメントが収録されてますが、"Step Ride"リディムのMicky Rich & Soh Badly & Sky Dance Crewによるコンビネイション・チューン「Dancehall Express」はインパクト大ですね。
C:オレらはずっと「Dancehall Queen Contest」をやっているけど、女性だけじゃなくて男のダンサーもフック・アップしたいって想いがあって。で、Sky Dance Crewに振りを考えてもらって、分かりやすいダンスホール・チューンに仕上がったね。
●"Se i Ya"リディムのセグメントでは注目の若手がフック・アップされてますね。
C:Arm StrongとTriga Fingaは勢いあるからね。そこにDomino-Katが絡むんだけど、全員に「ヴァイブス全開で来い」って指令を出したから、アツいセグメントに仕上がったと思う。Dominoの「カチカチ」はビッグ・チューンになるよ。現場での反応も上々だし。
●9/22にはリリース・パーティ(@Shibuya O-East)が開催されますが、最後に読者へひと言お願いします。
C:『東京Ragga Blaze』第3弾、とりあえず視聴でもいいから聴いてみてください。そこで良いか悪いか自分の耳で判断してもらって、良ければ買ってください(笑)。あとは、現場に足を運んでもらって、そこで何が行われているのか自分の目で確かめて欲しいね。
"東京Ragga Blaze 3"
Spicy Chocolate
[Tokuma / TKCA-37437]