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Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
 
ALBUM
 
1. Lil Wayne / Tha Carter III (Universal Motown)
そのおびただしい量の客演仕事やミックス・テープの数からも分かるように、イマ1番キテル男の最新アルバム。そのラップ・スタイル、ヴォーカリゼーションも多様化の一途を辿りつつあるこの“キャッシュマネー”のエースの凄みは、このアルバムが1番良く表しているのでは? マイアミ系のブーティー・サウンドであろうと、マーチング・ドラムものであろうと、デヴィッド・アクセルロッドの定番ブレイクであろうと、その個性は揺るがない。初登場1位も当然か。初回盤は19曲入り。
 
2. N★E★R★D / Seeing Sounds (Interscope)
“インタースコープ”へと移籍しての三作目。ここ最近また調子良いファレルだけでなく、チャド・ヒューゴの役割がハッキリ分かるのがこのN.E.R.Dの魅力であって、存在するだけで意味がある(?)シェイを含めて、彼等の本領が最もストレートに反映されたような内容に。つまり、音楽性はより拡散しつつ、やりたいことはフォーカスされてきた感じ。共感覚というコンセプト自体には感心しないが、音は抜群。日本盤にはCRS仲間のカニエとルーペも参加した例の曲のリミックスも追加収録。
 
3. Foxy Brown / Brooklyn's Don Diva (Koch / Victor)
姫、ご乱心? 刑期を早めて、満を持してのリリースとなるも、早くも喧嘩別れした“ブラック・ハンド”(グラフ他)からのニュー・アルバムは、実に7年ぶり。彼女の身に一体何が起こったのかが赤裸々に語られている本作は、元恋人のスプラガ・ベンツとモーガン・ヘリテイジとの共演曲(オケはシェーン・ブラウン!)や、レディ・ソウ、マヴァード、デマルコそれぞれとのコンビ物、とレゲエ寄りの曲も多く、本人は至って快調そのもの。ドゥウェレ、リル・モーとの曲もいい。
 
4. V.A. / Streetlight Music Presents SD Finest : Fingazz Works feat. LPG (TNTC)
DJ FILLMORE、DJ TAKAのミックスに続く“ストリートライト・ミュージック”からのニュー・タイトルは、人気プロデューサー/アーティスト=フィンガズ絡みの“ロウ・プロファイル”音源をピックアップした極上のコンピレーション。十八番のトークボックスが冴えまくるファンキー・チューンなどのパーティー・サイドから、泣きの効いたメロウなクルージング・サイドまで、おしなべてクオリティが高く、ウェッサイ上級者から初心者までが楽しめること請け合い!
 
5. J-Live / Then What Happened? (BBE)
いわゆるニューヨーク・アンダーグラウンド、眼鏡が似合うインテリMC……いや、確固たる活動歴と影響力をもつMC、J-ライヴが、イギリスの“BBE”より新作をドロップ。オーセンティックなサンプリング・プロダクションに、流れるようなフロウ、というこれまでの作品で見られた基本路線は変わらず、ジャジーなだけではないドープなビートとフリースタイルのような鮮度と勢いのあるラップのコンビネーションがひたすら気持ちいい1枚に。オディシー、ポス(デ・ラ・ソウル)も参加。
 
6. Ave.To / Three Way Intersection (Miclife)
ワシントンDCの大物=オディシー(ロウ・バジェット)と、新進気鋭のプロデューサー=アンノウン、ディープ・ハウス・ユニットT・コライのトラック・メイカー兼フルート奏者コライの“不思議なトリオ”=エイヴ・トゥーが奏でるのは、これまた不思議なヒップホップ、だった(?)定型を持たないモノながら、そこに何らかの美学が要求されるヒップホップのエクスペリメンタルな部分にスポットを当てたかのようなこの音は、コモンの4thに共鳴している、ような。
 
7. Twigy / Baby's Choice
(AWDR / LR2)

独自の道を行く“真性ヒップホッパー”TWIGYの通算7作目の本作は、“ラッパーであること”に集中した感のあったプレフューズ73との前作から再びセルフ・プロデュースの枯枝楽団制作に。新たにその楽団員となったSYZZZY SYZZZA にTHERESA、そして意外にも最高の相性を見せるAYUSE KOZUE、鎮座DOPENESSといった初参加組から、雷メンバー、Keyco、Hi-D、COMACHIまで、センスとスキルの見本市のようで、トータル・アルバムとして聴き浸れる最高に甘美な本作は、まさに彼の絶好調ぶりを示すものだ。 
 
8. Aktion / White Book
(UBG / Pony Canyon)

俳優、サーファー、PV監督、そしてUBG所属のラッパーでもある真木蔵人が、ラッパー=AKTIONとしてその“自分の全てを言葉で表現した”初アルバム。幼い頃から特殊な環境下で育ってきた彼だけに、トピックの幅広も高角度で、それを男気とヴァイタリティ溢れるフロウでタイトに聴かせる本作は、自らキャスティングし、脚本を書いた “ヒップホップ・オペラ”的な大作、となっている。父親=マイク真木、息子=Lil Prophetとの親子3代のコンビ曲も話題。
 
9. 般若 / ドクタートーキョー (昭和レコード)
“路上のリポーター”般若が、個人銘柄“昭和レコード”からの初タイトルとなるソロ4作目をリリース。“昭和の残党”として、チャレンジャー魂を露に「笑いがあって伝わる痛み」としてのオリジナル・ラップを展開することで知られている彼だが、ここでの“ズルむけっぷり”はまた凄まじく、アーティストとして格段の成長・進化を見せている。BACH LOGIC、EVISBEATS、I-DeAといった初顔合わせ組から、長渕剛まで魅力的なコラボ13連発、だが前作同様フィーチュアリング無し!
 
10. 剣 桃太郎 / 斬-Zan- (Kix)
歯に衣着せぬ言動で斬りまくる、妄想族のスウォードマン、にして最後の博徒を地で行くウィンズマンが早くも2ndソロを完成させた。リアルであることに意味はない、というスタンスで、時にユーモアたっぷりに“自分の時事ネタ”を披露するこの言葉の暴れん坊は、漢、SEEDA、ZEEBRAといったゲストが絡む曲でも止まらない。LUCHA、タイプライター、KNOCK、ZORRO、無也らの繰り出すビートも鋭く尖ったこの男をサポート。そして最終曲は…
 
11. Simon / Simon Says
(Harlem Recordings)

東京シーンに風穴を開けた男がここにも一人…。その客演仕事の激増ぶりからもいかに彼が“望まれた才能”なのかは理解できるだろう。そんなバイリンガル・スタイルの“大器”が満を持して贈るこの1stフル・アルバムは、一番の理解者である仲間の318やJiggを中心に、Focis、BACH LOGICも参加した新展開の見えるもので、ゲストもAnarchy、4WD、Tomogen、Jay'edといったニュー・ジェネレーション感を強く意識したものに。“かっこいいラップ”という最大の武器はさらに…。
   
12. t-Ace / 孤高の華 01
(Office Zero)

地元=水戸のシーンのStreet Famous=t-Aceのオリジナル新作。これまでにも数々のミックス・テープやライヴ、SLASH SPIT SQUADRONでの活動で確実にファンを増やしてきたこの孤高のリリシストがここで“1本のマイク”を通して語るのは、自らの傷だらけのリアル・ストーリー。切々と、しかし力強く綴られるそのリリックスは、深く、重い。そして、「Final Fantasy IV」や藤原ヒロシ「Natural Born Dub」をサンプリングした曲もある、ヒップホップの本来的な快楽原則に沿ったトラック群も心に沁みる。

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