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292    COLUMN    PLAY IT LOUD

COMING HOME / RAS SHILOH
[VP / VP1757]
さすがは巨匠オブ・ルーツ・アーティスト・プロデュース、ボビー“ディジタル”による3rd。脇をディーン・フレイザーらのタイトな演奏に固められ、大海に出た魚のごとくそのシルキー・ヴォイスをのびやかに発揮し、1曲目から音と詩が肌にピタっとくる真ルーツ・レゲエ仕立て。「ピュアネス」なんて(日本では)死語のご時世ですが、乾いてるところほど深く浸みこむ、酸素水より本作をどうぞ。[輸入盤](遠井なつき)
 
INNA DE YARD / JUNIOR MURVIN
[MAKASOUND / IDY007]
まだまだ続くアコースティック・セッション最新作。「Police & Thie-ves」が流れた瞬間、ハイトーン・ヴォイスが出迎える。もうこれだけでOKだ。今作の彼は、C・メイフィールドばりのソウルを目一杯喉に響かせた(「Gypsy Woman」をカヴァー)。仲間が自然と集まって演奏し歌う、気取らないレゲエに魅了されます。『ロッカーズ』&ザ・クラッシュ世代の方へ元気な姿のJ・マーヴィン、是非聴いて下さい。[輸入盤](磯野カツオ)
  
DUB MATIX / ATOMIC SUBSONIC
[NOCTURNE / SIR06]
カナダからのダブレター。一人で多種類の楽器を操るクリエイターの作品。根底にルーツ・レゲエ、頭脳に冒険心を持ち合わせている。F・マクレガー参加曲を例えにすれば、歌が際立って良い。それは尊敬による全力投球のなせる技。レゲエを隅から隅までよく知っていて痒い所に手が届くツボを心得ていますなあ。ビートに込めたレゲエ魂は随所に光る。いきなり日本語が飛び出すミステリアスなダブもあるよ。[輸入盤](磯野カツオ)
 
MANJUL / JAHTIGUIYA (DUB TO MALI PT.2)
[DISCOGRAPH / 6133002]
雄大でドラマティック、単なる形式だけのダブではありません。景色=西アフリカの大地が浮かびます。前作同様、楽器自らが持つ力、声の力をダブに共鳴させている。学術的難解さは全くない。むしろすんなり耳に入ってくるサウンド。約一時間どっぷりと楽器とおしゃべり満喫族、普段接していない音を知る快感に巡り逢うでしょう。Manjulがミックスしたのは、ジャマイカ、マリのベスト・ポイント。[輸入盤](磯野カツオ)
 
TROJAN TOWER BOX SET / V.A.
[TROJAN / TJETD9002]
今年40周年を迎えたトロージャン・レコーズによるお馴染みのボックス・セット、最早何十種類の箱が世に出ているのか把握し切れないが、今回はタワー・レコードのバイヤーが選曲し、タワーでしか入手できない箱。“ジャマイカ流美メロ”をキーワードに、スカ、ロック・ステディ、ラヴァーズ・ロック系からのセレクション。誰もが知っている名曲から隠れた名曲まで、未CD化音源を含む全54曲。[輸入盤](大場俊明)
 
ボビー・クレイ〜ラヴァーズの貴公子/ボビー・クレイ
[V2/V2CP-336]
ブリクストンのレゲエ・ショップの店頭で歌い続け、デニス・ボヴェールと出会いデビューを果たすという、UKのレゲエ・アーティストにとっては夢の様な道を歩んできた新星シンガー。アクのない透き通ったスウィート・ヴォイスでどのジャンルを歌わせても似合いそうだが、どこかしらレゲエの匂いを漂わせているところにデニスが惚れ込んだのかもしれない。UKレゲエ好きだけでなくUKソウル好きにもお薦め。(大場俊明)
 
ヘッド・ロック/NGヘッド
[コロムビア/CPCP-34381]
去年のファースト・アルバム『ヘッド・ライン』をリリースして堰が切れたのだろう、冒頭の啖呵からNGヘッド節全開のセカンド・アルバム。そう、ボクらがNGに求めていたのはこの前のめりに空気を切り裂く勢い。それを唯一無二の声と斬れ味鋭い話芸で徹頭徹尾貫き通す姿は潔くかっこいい(ラストのみグッとくるメロー・チューン)。盟友たちが制作したトラックもNGにぴったりの痛快なものばかりだ。(大場俊明)
 
アイリー&スマイル/リトル・チビ
[ブロッコリー/OBR-003]
古くから大阪方面で活動を続け、10年程前に結成したRebel Music Campの主要メンバーでもあるヴェテランDJ、リトル・チビのまさに待望と言えるファースト・フル・アルバム。長年の活動で培ってきたものを思いっきり詰め込んだヴァラエティに富んだ内容だが、どの曲も地に足の着いたメッセージで軸がぶれてないところは流石。盟友チャッキー・トクやプロフェッサー・チンネン等のサポートもグッド。(大場俊明)
 
クラシック・フォー・レゲエ・ラヴァーズ/フィルハーモニック・レゲエ・セッション
[キング/KICS-1312]
アルバム『Le Ciel Bleu』も素晴ししかったHakase-Sunを中心にMice-teethのメンバー等により構成されたセッション・バンドによるクラシックの名曲カヴァー集。レゲエとクラシックというと相対する物との印象も強いが、ただ心地良いリズムで美しいメロディが聴けると思って頂ければいい。Hakase-Sunならではの無駄のないアレンジは秀逸だし、演奏、音の鳴り、2曲だけ参加した武田カオリの歌を含め妥協はない。(大場 俊明)
 
ドラム・サウンド/ザ・レヴォリューショナリーズ

[ビート/BRPS55]
スライ・ダンバーを中心とした専属バンド、レヴォリューショナリーズの演奏するミリタント・ビートで70年代後半のジャマイカ・シーンを揺り動かした重要レーベル“チャンネル・ワン”。このアルバムは同レーベルからリリースされたシングルのB面(バージョン)のみを集めたコンピで、代表的なトラックを多数収録。スライの多彩なドラム・テクニックにはマジでブッ飛ばされる。爆音で聴くことをオススメします!(小池信一)
 
ルーツ・マン・ダブ/V.A.
[ビート/BRHB332]
アルヴィン・ラングリンのレーベル“GG's”からリリースされていたレア・ダブ・アルバムが14曲のボーナス・トラックをプラスされ再発。ユルめなアーリー・レゲエ調のサウンド・プロダクションが印象的なレーベルだが、70年代後期の作品をダブ・ミックスしたこのアルバムはドッシリとしたルーツ感の強い仕上がり。メイトーンズやスターライツなどレーベルの顔として活動していたアーティスト達の楽曲をダブ化。(小池信一)
 
斬新!ダブ・コレクション/V.A.
[P-ヴァイン/PTR-CD-5]
あちらこちらにDubという言葉は溢れています。その実態は? テクノやハウス等のダンス・ミュージックの原点でもある手法。削って抜く美学。時が経過すればもっと先は鋭くなっていく。余計なものが削り落とされる。実際に触れて下さい、1970年代のサウンドに。皆さんも気とDubが擦れれば煙が立つかもしれません。私、カツオが選曲を担当。音だけじゃなく、アートワークも斬新。カツオからのDubレターです。(磯野カツオ)
 
ダブル・アップ/R・ケリー
[BMG/BVCP-21541]
デビュー15周年にして13作目。スヌープ、ネリー、T.I.、T・ペインといったホットなラッパー勢を従えたフリーキーな振る舞いは、一時期の反省モードもどこ吹く風、アッシャーとのユニークな恋愛ドラマ仕立て曲にも、思わずニヤリ。かと思いきや、ヴァージニア銃乱射事件やイラク派遣兵を扱った楽曲が収められる等、清濁併せ呑む作りは相変わらずながら、イマを捉える嗅覚や全編を貫くエンタメ精神には脱帽。(石澤伸行)
 
ビコーズ・アイ・ラヴ・イット/エイメリー
[ソニー/SICP-1166]
2年ぶりの3作目。リッチ・ハリソンとは距離を置き、ほとんどの楽曲で自ら制作に関与するも、前作路線を踏襲した賑々しいファンク・チューンが多く収められ、アルバムの全体像は、さながら“なりふり構わないヒップホップ・ソウル絵巻”といったところ。中盤に据えられた情感豊かなミッド〜スロウも含め、ポップを着地点としつつ、狂おしいまでのキュートなヴォーカルの魅力が全開の秀作に仕上がっている。(石澤伸行)
 
スペシャル・オケージョン/ボビー・ヴァレンティノ
[ユニバーサル/UICD-6124]
2年ぶりの待望作。「Slow Down」を生んだ盟友ティム&ボブに加え、今回はダレル・アランビー、ブライアン・M・コックス、ロドニー・ジャーキンスらが、主役を立てんと優美な音世界を現出。中でも、提供曲数で主導権を握るティンバランドが、ボビーのイメージに骨太さを加えたように感じられるのが面白い。白眉はベイビーフェイスのカヴァーか。ここで醸し出される気だるくもアダルトな雰囲気には参った。(石澤伸行)
 
グッド・ガール・ゴーン・バッド/リアーナ
[ユニバーサル/UICD-9029]
デビュー3年目での3作目。ジャケが訴えかける“路線変更”はアルバムの作りにも反映され、ラガな香りと共にこれまでのはっちゃけた表情が後退した代わりに、地に足の着いた佇まいが印象的だ。ティンバランドやトリッキー・スチュアート、スターゲイトらによる、ポップながらもきっちりとアグレッシヴなアプローチにも、堂々たる態度で臨む様が、実に頼もしい。ニーヨとの爽やかデュエット曲も要注目。(石澤伸行)
 
ラヴ・ストーリーズ/ゴードン・チェンバース
[コロンビア/COCB-53562]
2年ぶりの2作目。ブラウンストーン曲に軽くヤラれる他、エリック・ベネイとの共作曲やヘザー・ヘッドリーの定番ウェディング・ソング等のセルフ・カヴァーが続き、これまでの裏方としてのキャリアに自らフォーカスを当てるかのような営みにシビれる。レディシィとのデュエットでは歌い手としての確かな力量を見せ付け、トロイ・テイラーやバリー・イーストモンドらとの凛とした共同作業にも惚れ惚れだ。(石澤伸行)
 
…レフト/エリック・ロバーソン
[Pヴァイン/PCD-23943]
オリジナル作としては3年ぶりの新作。サルサ風味の緩めファンクで幕を開けるが、リトル・ブラザーのフォンテや故ジェイ・ディラ、ジェイムス・ポイザーやケヴ・ブラウンらが提供する楽曲では、そのトラック捌きのみならずラップ風歌唱も含め、ドープなメロウネスが横溢している。でも肝は今回も彼の歌と曲。彼が醸すジョン・レジェンド風のナヨりやミュージック的なホンワカ感は、イマとも交わるものかと。(石澤伸行)
 
AELITA / TIED + TICKLED TRIO
[MORR MUSIC / MM077CD]
前衛ジャズともポスト・ロックとも言われる、インプロヴィゼーションの延長的な作品をリリースしてきたグループの最新作。ヨーロッパの夜の街、喧噪、哀愁、ちょっと危険な薫り、夢、旅…なんて、かっこいいモノクロ映画の様な雰囲気を漂わせながら、ズシリと鼓膜に響くベースやふわふわなエフェクトで骨太な面もチラチラと見せる。これだけスマートにダブを自己解釈するなんて、改めて惚れ直しました。[輸入盤](飯島直樹)
 
NU★MED / バルカン・ビート・ボックス
[プランクトン / VIVO-331]
東欧ブラスにダブ〜ダンスホール〜ブレイクビーツ等を掛け合わせブームを巻き起こしたShantelによって世界的に紹介されたBBBの2枚目。イスラエルからNYに移住したメンバーを中心に大所帯で繰り広げられる東欧〜バルカン〜アラブ〜マグレブ〜カリブまで飲み込んだエスニックな音地図を、ブーストされたビート&ベースと共に披露。前作は早耳のスカ〜パンク〜レゲエDJによって広められた彼ら、今作も聴き逃せない。(飯島直樹)
 
P.D.P.(プレジデント・デイ・パス) / アコヤ・アフロビート
[ルーディメンツ/RMT-CD004]
政治的アクティビズムを前面に出す事を臆さない姿勢で、聴く度に胸を打つ音楽を届けてくれるNYC拠点の多国籍バンドの2nd。メルティング・ポット化した都市の音楽家の例に洩れず、国境を越えた問題提起を音楽を通して行っている。今回はセドリック・ブルックスや、メデスキー・マーティン&ウッドのエンジニアも迎え、アフロビート・ファン以外にも、より一層浸透力のあるメッセージを投げかけている。(飯島直樹)
 
リ・モメントス〜カウンターポイント / JUZU a.k.a. MOOCHY
[クロス・ポイント/サウンドスケープ/CPSCD-001]
ハワイ、ベトナム、キューバ、NY、日本の数カ所でレコーディングを敢行、音も参加ミュージシャンも国から国へ移り変わる--これだけ外部の要素を取り込んでいながら、その全てが張り合わせではなく、Juzu a.k.a. Moochyというフィルターを通してしっかりと内包されているのは、人と出逢えば語り合い、異国の地はその足で踏みしめずにはいられない、Juzu a.k.a. Moochyその人の人間性の賜物なのかもしれない。(飯島直樹)
 
アウトドア/ブラストヘッド
[ラストラム/LACD-0113]
アンビエント・テクノの巨匠ミックスマスター・モリスに、さるパーティでのライヴMixを絶賛されたTetsuと、DJプレイが全国で評価されるDJ、Hikaruによる新作。計算高い構成と、天性の音感を駆使するTetsuによる要素が強いものの、決して机上の音楽に終わらずに人を踊らせる生命感に満ちているのは、Hikaruによる経験無くしてはあり得ない。お互いを補い何倍もの結果を生む、時代を越えて聴かれるべき作品。(飯島直樹)
  
トーキョー/オニキ・ユウジ
[ハリケーン / QACH 30003]
NY生まれの日系人ソングライターの5作目で、初の日本録音。ここ1年のライヴでしっかり固まったバンド(Rovoの勝井祐二ほか)が彼の描く風景に風を吹かせ深く繊細な色を添え、益子樹がその音を丁寧にそして絶妙にミックス。「40 Seconds」の16分弱に渡るサイケ世界は現在のオニキ・バンドにしか作れまい。(歌声と演奏も含めた)“うた”と同様に既視感が波のように押しては引いてゆくアルバム全体の構成も見事。(飯島直樹)

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