Chehon
Burn It Up

 
Interview by Masaaki Okino / Photo by Hiroto Sakaguchi
 

「みどり」の大ブレイクで新世代DJシーンを牽引する存在となったチェホンが、現地点までの彼の軌跡とも言える『“チェホンのファーストアルバム”という名のアルバム。』をリリース。巧みなライミングとフレッシュなアイデアが詰まったアルバムについて語ってもらった。
 
●アルバムの制作はいつ頃から?
Chehon(以下C): 去年の秋頃から始めていましたが、ライヴ等に忙しくて思ったより時間がかかりました。新曲と他レーベルのコンピ参加曲、既発曲やリミックス等を併せた内容です。2月にジャマイカに行って今作のメイン・プッシュ曲となる「爆音Cyclone“耳元ギンギン2K7”」や「Draggan Quest 2K7」等、7曲をミックス・ダウンしました。これまで未知だったミキシングについて知りたいと、できるだけ盗んでやろうと必死でアンカー・スタジオでDelroy "Fatta" Pottengerのミックスを見てきました。時間の制限もありましたけど、やはり新鮮な驚きがありました。次作は向こうで時間をかけて制作したいですね。
 
●「みどり」はSkyline Bandとのアコースティック・ヴァージョンが収録されています。
C: やはり自分が広く知られるようになった曲なので入れたいと思っていましたが、この一年で自分の声やスキルも成長したし、そのままだと面白くないので。Skyline Bandとは時々ライヴをしていますが、ダンスとは違う感じも楽しいのでこれからもやって行きたいですね。
 
●同じくSkyline Bandとの「痛快エブリDay」は曲調に合ったポジティヴでシンプルなリリックがいい。これはタイアップ?(笑)
C: 狙ってるんですけどね、桂南光さんに聞いてもらって(笑)。ローカル番組なんで他府県ではだれもこの話題判ってもらえない。
 
●スタイルの成長という点では、京都のClutch Shooterプロダクションとの「眠らぬ街」の醒めた視点で描写したリリックがとてもリアルで。
C: 歌舞伎町やミナミの夜をイメージしました。しょっちゅう自転車で夜中動いていると、この光景に見慣れ過ぎている自分に気付いて、逆に初めてこういう場所に踏み入れた時の気持ちを描きました。それぞれの人間関係、ストーリーを生きてる人を見ていると正に「マンガの様な街並みの劇場」(リリックより)。
 
●全体的には現場向きチューンが多い印象ですね。
C: リリックを書くということは、リアルに自分のライフ・スタイルが反映されるじゃないですか。ライヴやダブ等でこの一年、ほぼ毎日生活がレゲエだったから、自然に現場のワードが多くなったのだと思う。ここ最近は広いテーマのリリックも書いています。
 
●リリックは圧倒的に大阪弁が多いですね。
C: Boogie Man、三木道三、NG Head等を聴いてきたから、当然影響を受けていますが、大阪弁の方が自然にリリックが書き易い。かっこいい言葉を使って書いても自分で照れて消してしまったり、大阪弁で韻踏めるやん、て(笑)。面白いライミングをどんどん踏んでいくのが好き。踏まないと始まらない。常に新しいことに向かってあらゆることに挑戦していきたいですね。また各地を周りますが、年内にもう一枚アルバムを出したい。次作ではリアルタイムな自分をもっと表現したいですね。
  
「“チェホンのファーストアルバム”という名のアルバム。」
Chehon

[Music Mine / IDCX-1003]