Right Man Right Place Right Tune
Text by Reiko NAGASE SMITH(協力:アイランドツアー)
2007年3月がついにやってくる。2K7はジャマイカにとってビッグな年。もう何年も前から期待と疑惑が渦巻く、クリケットのワールド・カップ(注;やはり、4年に一回開催)が、ここ西インド諸島で開催される。
ジャマイカは重要なホスト国。開会式と、準決勝試合を開催するジャマイカの会場は2箇所。イースト・キングストン地区にあるサバイナ・パークと、トレロウニーに建設中の新しいスタジアム。このため、北海岸を中心に、ワールド・カップ開催に向けて、何年も前から道路建設中。キングストンではサバイナ・パークの改装、会場周辺コミュニティのクリーン・アップ、国際空港改装、と、ジャマイカ中がめざましく発展してきている。改装や建設が、開会までに間に合うか、が国民いちばんの関心どころ。
クリケットのナショナル・チーム、我らウェスト・インディーズは、西インド諸島(英国連邦系カリブ諸国)寄せ集めチーム。ホスト国となるのはウェスト・インディーズ・チームを成す9カ国で、ジャマイカをはじめ、トリニダード&トバゴ、バルバドス、セント・ルシア、ガイアナ、アンティグア、ゲレナダ、セント・キッツ&ネーヴィス、セント・ヴィンセント。ワールド・カップのために建設されたスタジアムには賛否両論で、ワールドカップ開催後に使用される目処が何もたっていない、と反対派は指摘している。
同志のグレナダで一月、スタジアム建設に経済援助をした中国に敬意を表して、スタジアム完成の式典で国歌を演奏するのに、こともあろうに台湾の国歌を間違えて(まちがえて!!)演奏してしまったという失態ぶり。Watta Ting!? いや、ジャマイカの話じゃないけどね。
クリケット、英国連邦以外の国にはなかなか馴染みのないスポーツだけど、ワールド・カップ開催の3月〜4月、ジャマイカおよびカリブ、アツくなるよ。
イベントのノー・ショウは流石にジャマイカでも以前ほどなくなってきたものの、アップタウン系ディーセント(「まともな」って意味)であるはずのショウで、目玉の外タレ、ピーボ・ブライソンが来なかった。もっとかわいそうなのは、プライベートでこのショウを見に来ていたT.O.K.のFlexxくん。会場駐車場で車を盗まれ、今だ車は見つかっていない。ピーボ・ブライソンのノー・ショウに激怒した観客は、会場の椅子をもって帰ってしまい(!)、アップタウンだから、入場料が少し高くても、ディーセントだろうという人々の期待を大きく裏切り、今後のビッグ・ショウの、前売りチケット売れ行きに、しばらく響きそう。
ノー・ショウもう一件。2K7もビッグに、セント・エリザベスをラスタ・カラーづけにした「レベル・サルート」。出演予定のサンチェスのパフォーマンスがなかった。会場で早くから待っていたのに出番をよばれなかった、ファンを落胆させてしまった、と悲しむサンチェスと、主催のトニー・レベルとの主張は大きく食い違っている。Summn Mus Wrong.
シンギング・メロディ、ガンマンに襲われる! 幸い命に別状はなかったものの、手を撃たれて入院。場所は、サカナ料理のフライドフィッシュ&フェスティバルで名高いローカルの海水浴場、ヘルシャー・ビーチに向かう道。メロディ運転中に、対向車が発砲してきたというが、メロディを狙った犯行ではなく、物品目当てだったよう。災難。
獄中からビッグ・ヒットをとばしたラスタ系シンガー、ジャー・キュアの釈放が、早ければ7月末に実現となる可能性もある、と新聞で発表された。が、本来の服役期間である2011年の7月まで、という可能性も、まだまだある。たしかに熱狂的なファンもいるが、一般にジャマイカ人は、彼の音楽がどんなによくても、人の心を打ってもヒットしても、犯罪者には変わらず。いつかは釈放されるんだから、法にゆだねるべき、と、この事件に関してクールな人が多い。
なにはともあれ、Music 1st.
Peace Out!