Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND

Greetings Friends,
   
●競争の激しいレゲエ・マーケットでヴォーカリストが名声を得ることは至難の業だ。近頃、頭角を現したいわば“勝ち組”アーティストにはSylvia Tella、Peter HunnigaleやTrevor Hartleyらの名前が挙がるだろう。その中でも、まだ少女のように若いシンガー、Lilli Allenは、UK国内はもとより国際的にもその名前が急速なスピードで浸透しつつある注目株だ。彼女のシングル「Smile」はクリスマス前のUKで大ヒットとなり、そのおかげでUK一有名な大晦日の音楽番組に出演した。この番組はJools Holland率いるRhythm and Blues Orchestra(伝説的なホーン・デュオRico Rodriguez & Michael 'Bammie' Roseも一員)が出演することでも知られている。派手なフェイクのアイラッシュを付けた若さはちきれんばかりのルックスや、無邪気とも形容できるロンドン・アクセント(特に歌うとその特徴がでる)が彼女の一番のウリなのだろうか? 僕はLilliの成功をみくびるつもりは毛頭ないのだが、番組にはどうも彼女がミスマッチだった気がする。

●僕が去年紹介したSister Linaを覚えているだろうか? 彼女は僕が最近一緒に仕事をしているフランスのローカル・サウンドUnity Hi-Powerのヴォーカリストだ。2006年初頭にサウンドのショーに初出演した際には大喝采を浴びた期待の新人は、現在、新曲を英語(僕の妻が監修している)とフランス語で書き、録音することに勤しんでいる。僕とUnity Hi-Powerの若きオーナーMatmutは彼女の才能が限りなく伸びるようにと願っている。うれしいことに、彼女のオリジナル曲が徐々にネットにアップされてきている。www. myspace.com/unityhipowerで彼女の声は勿論、写真も見ることができる。そういえば、そのサイトにはMatmutと、最近ちょっと老け込んできた僕自身の写真もあるので、興味のある方はどうぞ!

●ダンスホールのスターVybz Kartelがスムースにレコード会社の契約を解除できる手段を見つけたようだ。彼は所属レコード会社のGreensleevesに対して非常に不満を持っており、契約解除のために名前を変えることにしたのだ。もうすぐ彼の新名義Addi Di TechaのCDを店頭で見かけることになるだろう!

●未解決で謎に包まれた事件(ダイアナ王妃の事故死のような)が好きな方にオススメしたいドキュメンタリーがある。俳優のGuenveur Smithと監督のArthur Jafaが制作した『Who Killed Bob Marley?』だ。マーリーの人生で起きた悲劇に新たな光を当てるという構成であり、彼の伝説について論争を呼ぶことは必至だろう。詳しいことはサントラもダウンロードできるウェブサイトwww.whokilledbobmarley.comを参照のこと。因みにBob Marleyが生前、ロンドン滞在の際に住んでいたRidgemount Gardenに記念プレートが設置されることも同時に発表された。

●クリスマス前にSizzlaが自動車事故で死去したという噂がネット上で流れているが、デマのようだ。

●ジャマイカのプロモーターでDJ MercilessのマネージャーでもあるGadaffiがMr.Vegasを告訴するらしい。彼はヒット・シングル「Do You Know」のリリックの中で「Gadaffiの家は彼がオーガナイズしたコンサートと同じくらい空っぽだ」と歌っているのだ。Gadaffiにはこの歌詞の真意を問うために世界中から電話がかかってきたらしい。

●Gregory IsaacsがU2のシンガーBonoと共演したシングルを録音するらしい。もう少し面白い組み合わせはないものだろうか? Isaacsの次作は彼にとってなんと140作目のアルバムになるらしい!

●間もなくStephen Marleyの初ソロ・アルバム『Mind Control』が発売される。このアルバムにはBen HarperやラッパーのMos Def、彼の弟Damian 'Junior Gong' Marleyが参加している。Stephenはマーレー子息の音楽作りの中心的役割を担ってきており、Melody MakersのZiggyを常にサポートしていた。今まで、彼の有能さは業界関係者しか知る由がなかったのだが、このアルバムのリリースで彼の音楽の素晴らしさが広く知られることになるだろう。
 Till Next Time, Take Care...
 
(訳/Masaaki Otsuka)


Junior Gong