Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND
David Madden, Nambo Robinson & Glen DaCosta
Greetings Friends,
●今月は慌ただしい日々を送った。前回のリポートで報告したように写真展とサウンドクラッシュの準備で忙しかったのだ。両方ともうまくいったのだが、都市からのアクセスが悪い小さな田舎町というロケーションに不満が残った。また、サウンド・クラッシュを観に来た聴衆は写真展が6時に閉まってしまったため僕の作品を見ることができなかった。ホストのサウンドZion Gateはウワサどおりのパワフルなシステムを持っていたが、フランスで一番のコレクターといわれるPapa Floが持参したレコードにはちょっと拍子抜けした。彼のレコードは、僕だったら家に大事にしまっておいただろうニ級品のルーツ・ミュージックだったのだ。僕はキラー・チューンばかりを詰め込んだ4箱を持ち込んだのだが、その中で実際にプレイできたのはたった20数曲だけだった。ただ、イベント自体は楽しいものだった。今回参加したことでこのクラッシュの運営方法がわかったので、次回には同じテツを踏まないようにしたいと思う。西フランスで一目置かれる存在のZion GateはMurraymanやLittle Royといった専属アーティストをさかんにプロモートしていた。シャカ・スタイルのルーツにメロディカを合わせるMinimanという男も登場し、注目を集めていた。しかし、僕にとって1番の収穫はUnity Hi-Power所属の地元シンガーSister Linaを発見したことだ。Al CampbellのStudio Oneからの名曲「Take A Ride」のトラックに合わせ洗練された歌声を披露した彼女は、これからの活躍が大いに期待されるだろう。もし、彼女がビックになったときに思い出して欲しい。彼女のことを初めて読んだのはこのレポートがきっかけだったと。
最近、ヨーロッパをツアー中のMacka BとMax Romeoのショーを観ることが出来た。彼らは相変わらず素晴らしいパフォーマンスをみせてくれたと思う。Macka BはAriwaクルーのメンバーとして活躍し、最近ではジャマイカのプロデューサーのBlack Scorpioによるチューンもリリースしている。ステージ上ではレコーディングでもMacka Bのバックを務めたRealisticsが彼と共に聴衆を熱狂させていた。Max RomeoはDavid Madden、Nambo RobinsonとGlen DaCostaのベテラン・ホーン・セクションを従え、名だたたる黄金期のプロデューサーによる名曲の数々を歌ったそのステージは他のシンガーの手本になるほどの出来だった。
●レゲエのスペシャリスト・レーベルのGreen-sleevesが300万ポンドで売却された。25年間も同じオーナーだったこのレーベルを手に入れたのは、Wet Wet WetやPet Shop Boysなどポップ・ユニットが所属するZest社だ。この売却によるスタッフや所属アーティストに変更はなくリリース(新譜・再発も含めて)も計画通りに進むらしい。しかし、オーナーが変わることによりどのような変化が長期的に起こるのかは、まだ誰にもわからない。
●Bob Marleyの遺産をめぐっての争いはなかなか終わる気配を見せない。Aston 'Familyman' Barrettが数々のヒット・ソングの共同作者として6,000万ポンドにおよぶ著作権収入の奪還を求めて裁判を起こしている。彼はMarleyの親族とレコード会社のユニバーサルミュージックを相手にしている模様。彼の訴えに反し、BarrettはMarleyのパートナーというより単なるベースプレーヤーに過ぎず、彼は1994年に「一切の著作権収入は受け取らない」という契約書にサインをしているとも言われている。
●現在、ヨーロッパをくまなく廻っているBurning Spearがウェブ・サイト(www.burningspear.netをオープンした。これに加え、彼はブログ(http://burningspearmessage. blogspot.com)も開設し毎月情報を更新している。
●UKステッパーズ・スタイルに興味をお持ちならミュージシャン/シンガー/プロデューサーMartin Campbellのサイト(www.ACL2000. co.uk)がオススメだ。彼は1980年代の終わり頃からRej ForteのJah Worksレーベルでキャリアをスタートさせ、徐々に頭角をあらわしてきた才能のある人物だ。
Till Next Time, Take Care...
(訳/Masaaki Otsuka)