RUDE FISH
REGGAE SHINING
Interview by Hajime Oishi / Photo by JP
Home GrownのI-Watchと元Banana SizeのMakochingが2004年に立ち上げたRude Fish Musicから、“Reggae Cruising”シリーズ第二弾となるレーベル・ショウケースが登場。今回もヴェテランから若手まで幅広いメンツが集結し、聴きごたえのある作品となった。首謀者の2人に、今作にかける思いを訊いてみよう。
今回の『Reggae Cruising : Rude Fish Music Reggae Compilation Vol.2』は、I-WatchとMakochingの2人がリディム制作を行い、そこにTruthful(Fire Ball)、Papa U-Gee、Rudebwoy Face、山師、Daisen、Goki、Haga Ranks、Bamiuda、JP、Rickie-G、Atooshi、I-Pan Dread(登場順)というメンツがそれぞれの乗りこなしを聴かせる1枚だ。じっくり&丁寧に作り上げられたリディムからはどこか90年代前半のヴァイブスも匂ってくるようで、そこがなんとも人懐っこい魅力となっている。これ、結構いいアルバムです。
●レーベルのコンセプトは?
Makoching(以下M):やはり現場でかけられる作品を作っていきたいですね。ヴェテラン、中堅、新人を問わず、オリジナリティのあるアーティスト達に参加してもらいたいし。
●昨年の8月に『Reggae Cruising:Rude Fish Music Reggae Compilation Vol.1』を出したわけですが、そこで初めて直面した難しさもあったんじゃないですか?
I-Watch(以下I):そうですね。スケジュールや制作費や歌詞の調整、モチベーションの維持……でも、ミックスのためにジャマイカに行って、そこで自分の作品がレゲエになるっていう醍醐味もありますからね。
M:歌ってくれるアーティストのみんなが、本当に忙しいなか手抜きゼロ/1曲入魂で曲作りをしてくれることにも興奮しますしね。
●ヴェテランから若手まで、幅広いメンツが揃っていますね。
I:それは意識してる。ジャマイカのコンピのように、有名無名/ヴェテラン若手がひとつのアルバムに入ってる感じにしたくて。こういうのは凄くレゲエ的だと思うし。
M:そうそう。世代の壁は必要ないから。
●今回のアルバムでお2人の“押し”は誰ですか?
I:GokiとRudebwoy(Face)は、あの年代では抜けてると思う。シンガーとしてのSticko(Truthful)の素晴らしさを紹介することも出来たし、地元の大ヴェテラン=エーパンさん(I-Pan Dread)を録ることも出来たし、俺が世界イチ好きなレゲエDJ、Papa U-Geeさんのダンスホール・スタイルも聴いてほしいし……みんなそれぞれ素晴らしいですね。
●今注目しているアーティストって誰ですか?
I:ジャマイカに長い間住んでいて、今は京都に帰っているMi-Iさんは絶対に録音したい。
M:Gokiかな。彼のソロ・アルバムも現在制作中なんですよ。
●Rude Fish Musicは今後シーンのなかでどのような役割を果たしていきたいと思いますか?
I:大きなイヴェントに出るアーティストって、ここ何年あんまり変わらないじゃないですか。もっとたくさんいいアーティストはいると思うし、知りたいし、聴きたいし、録りたい。俺もそういうステージでギターを演奏していたいですね。頑張ります!
M:Rude Fish Musicの音が、人と人とを結びつけたり、人が求めているものとの橋渡しの役割を果たすことが出来れば、本当に嬉しいっすね。
最後にこのレーベルがめざすものを問うと、「やりたい音楽を作り続ける、独立したレーベル」(I-Watch)、「周りに流されず、作りたいものを作る」(Makoching)と答えてくれた。確かに今作はネームヴァリューのあるアーティストを揃えているわけではないが、ローカルで頑張っている連中もしっかりと紹介しながら、現在のシーンの広がりをきっちりと伝えてくれるのだ。このラフ&タフな雰囲気は、ホンモノのレゲエ・ファンならわかってもらえるんじゃないかな。
“Master Blaster”
V.A.
[Victor / VICL-61875]