(U KNOW)What the deal is
 
全部は転載出来ないが、あるブロッグの週刊誌風アメリカ恥番付だ。
[四枚目]ブルックリンのヴィデオ撮影現場で、自身のボディ・ガードを射殺され、現場に居たのにもかかわらず、「チクリは嫌だ」と一切警察に協力しないラッパー=バ××・ライムス。さらに葬儀にも参加せず、「葬儀代は持つ」とコメント。本当は、容疑者とされる×ユニットの××ー・イエイヨが怖いだけ。

[三枚目]港のアラブ系の業者を「セキュリティ」という言い訳で、締め出したい共和党を批判するアラブ系企業の献金に頼っているフランスや、イギリスと変わらない民主党。

[大関]自身の会社の便宜の為、イラクを侵略し、ハンティングという前時代的な趣味を持ち、友人を撃ってしまった副大統領。人殺しをやった実体験(写真は本人)。
[横綱]「ラ×ス長官、人の国政に口を出すな」と宣われた上、「困っているみたいだから」と皮肉たっぷりに敵に塩を送ったヴェネズエラのシャヴェズ大統領に甘えて、原油を格安で譲ってもらったアメリカの石油業界。

●今月のカルチャー・センター
 ヒップホップ界のゴッドファーザーと呼ばれ、ある意味でヒップホップがピュアだった時代の継承者であるアフリカ・バムバータが、2/11にニューヨークにあるコロンビア大学でセミナーを主催した。講師は、牧師からラスト・ポエッツのメンバー、各ブラック・カレッジの有名教授などが顔を揃え、数学、歴史、ヒップホップ・ポエトリー、マーシャル・アーツまで幅広い内容のセミナーとなった。趣旨は、簡単に生活のために社会悪に身を投じて行く若い世代のヒップホップ・オーディエンスに、こういった別の選択肢があると紹介するというもの。ヒップホップ教会もあることなので、ヒップホップ大学もあって良い今日この頃?

●今月の緊急ミーティング
 そのアフリカ・バムバータが、こんどは2/22に緊急ミーティングをハーレムのナショナル・ブラック・シアターで開いた。ピンプ、ハスラー、プレイヤー、ギャングスタだけの単一なヒップホップの性格を危惧しているアーティスト、ジャーナリスト、業界関係者を招いたこのミーティングだが、チャックD、ズールー・ネイションなどのメンバーが、パネル・ディスカッションを催し、そういった単一なキャラばかりを売り物にするメディア、レコード・レーベル、プロデューサーなどを斬りまくった。更にこれを運動として継続すると宣誓する場ともなった。がんばれ、バム?

●今月のブラストマスター
 最近ご無沙汰で、西海岸に移住していると噂されていたKRS1が、久々にライヴを行った。3/4にカルフォルニアは、バークレイのブレイクスなる箱で行われたDJ中心のイヴェントに、KRS節が久々に轟いた?

●今月のノヴェルティ
 たった1曲のヒットの為、シリアスなヒップホップ・アーティストとして受け止められなくなっていて、有名人の肥満解消リアリティ・ショウに出演するなど、それに輪をかけていたビズ・マーキーのニュー・アルバムじゃなくて、人形が発売された。鼻くそをほじくり、ビートボックスをして、帽子に、指輪に、マイクがついて$69.99だそう?

●今月の訃報
 2月末に、ストーン・スロー、MFドゥームなどのプロデューサーとして知られるジェイ・ディラが病死した。彼のトリビュートがニューヨーク各地でも、スピナ、ボビート、ウータンクランのメンバーなどによって行われている。合掌。


 
沼田 充司
DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]