2K5の11月はビッグに「ダンス・オール・ロック」。バリントン・リーヴィー主催、セント・エリザベス開催例年のショウ。今年のラインナップはT.O.K.、ナンコ、マッカ・ダイアモンド、ファントン・モジャ、パーフェクト、そしてジプシャン。バリントン・リーヴィーとシャギー、夢の共演も。セント・エリザベスといえばこの人、ミスター・ライジング・スターのナディ君も登場。ピースな田舎のショウのはずなのに、VIPと一般エリアの境柵が倒れてパニックとなり、マッカ・ダイアモンドが軽い怪我。惨事にはならなかったけど、ショウの終わり方は悪かった。ラインナップにあったビーニ・マンやボウンティ・キラーが出なくて、ショウはMCがバンド・チェンジを告げたままぷっつりとジ・エンド。同じくノー・ショウだったジェントルマンは、ドイツのコンシャス・シンガー。2年前のスティングでボトルを喰らったものの、今やジャマイカ人にウケ入れられた、数少ない外国人レゲエシンガーであります。
雨続きにヴァイオレンス、一触即発状態の先月よりは少し落ち着きをみせ、エンターテイメントは盛り上がって、このままクリスマスのイベント・ラッシュに突入しそうです。年末年始のイベントはピースを謳うものばかり。スティングも、ピース、ラヴ、ユニティーがモットーです。流行りのチューンはリアリティーを歌うものが圧倒的。
【TVJ Entertainment Report Top 10】
[02 / Dec / '05]
1. Lucky You / Nanko
女の人が家で待ってるなんていいな、あったかい家庭があっていいな、独身男の羨ましソング。ラッキー・ユーは流行語になってます。Nankoの次のチューンが待ち遠しい。
2. How Come / Morgan Heritage
今でもラスタへの偏見があるのはどうして?から始まって、どうしてシズラを悪者扱いするの?と実名も入れながら、世の不条理を嘆くリアリティー・チューン。ジャメーカ・スウィート・パラダイスはどこ行ったの? Out Of Many, One People(注;ジャマイカの国のモットーで、多種民族で成る国を意味しています)じゃなかったの?とシニカルに。まったくです。
3. Step Out / Busy Signal
銃と男とリリックを武器にとった、ウィキッドマン・チューン。ビジー・シグナル只今旬。
4. Reflection / Jah Cure
5. Wild 2 Nite / Shaggy & Olivia
セクシー・チューンをいくら歌っても、咎められないシャギーのキャラ。
6. Serious Time / Gyptian
「Mama Don't Cry」も泣かせます。年末イヴェントでのジプシャンの活躍が楽しみ。
7. Far From Reality / Natural Black
ゲットー暮らしの男が、ゲットーの現実を知らないアップタウンの女のことをShe Was Far From Realityと歌うリアリティー・チューン。下町と山の手と、距離的には遠くないのに全く価値観の違う世界。複雑です。
8. Emergency / Vybz Kartel
次期与党党首争奪合戦真っ最中です。首相が来春引退し、PNP、JLP共新しい党首のもとで、2006年に選挙を迎える可能性大のジャマイカです。ジャマイカの役者が首相、野党党首、議員、とそれらしく演じてわかりやすいPVがヘヴィー・プレイ中。カーテルの新境地、リアリティー・チューン。カーテルといえばポートモア(キングストン近郊住宅地)。ポートモアとキングストンを結ぶコーズウェイ道路の有料化問題も取り上げています。
9. Poverty / QQ
レゲエには空腹を訴えたチューンが多く、実際、国民の約40%が貧困層に属し、約50%の子供たちがお腹をすかせているという。子供の側からのリアリティー、説得力強いです。
10. Can't Get Over You / Da'ville
切なく、でも爽やかな失恋チューン。
では、Yuh de a Yard...