Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND
Jimmy Cliff
Greetings Friends,
●ジャマイカで長年に渡り数多くのオールディーズ・ショーをサポートしてきたHeineken Startimeがヨーロッパでの初ツアー・ラインナップを発表した。U.Roy、 Frankie Paul、そしてGregory Isaacsだ。僕はこのシリーズのお陰でThe Clarendonians、Max Romeo、The Heptonesらのライヴを初めてジャマイカで観ることができた。僕ならもう少し刺激的で独創的なアーティストを並べただろうが、とりあえずこのライヴがジャマイカ以外で実現したことを喜ぶべきなのだろう。
●Edward Seagaが75歳の誕生日にJimmy Cliffからギターを貰ったのを知っているだろうか? Seagaは労働党出身のジャマイカ前首相であり、ジャマイカの音楽産業が確立される創成期に政界で大活躍していた人物だ。彼が様々なビック・アーティストを育てる土台を作ったことに感謝している。トップネーム達のマネージメントに関して暗躍してきた政治家達の活動を身近に目撃しているだけに、僕は政治と音楽をゴチャ混ぜにするジャマイカの“癖”を気に入ることができない。
●フランスの雑誌にScientistが言いたい放題に喋ったインタビューが掲載されていた。その中で彼はHenry "Junjo" Lawesについて、彼がペテン師であるとか、多数の有能なアーティストを擁していながらプロデュースのセンスに欠けていた、などと発言している。Greensleevesについても、自分の名前がクレジットされていない、Dub Mixアルバムの報酬を受け取っていない、と文句を言っていた。今はベテラン・ミキサーとして知られるScientistも、かつてはKing Tubbyの秘蔵っ子だった。その彼がGreensleevesを相手にアメリカで訴訟を起こした。Greensleevesが1981年リリースの『Scientist Rids The World Of The Evil Curse Of The Vampires』 からの数曲を勝手に『Grand Theft Auto 3』というゲームに使用することを許可したというのだ。ニューヨーク地裁はScientistが証拠を全く提示しなかったことを理由に訴えを棄却したようだ。確かに裁判所の判断は法律上正しいのだろう。しかし、当時のジャマイカの著作権管理のずさんさを考慮すると、裁判官は彼の言い分にもう少し耳を傾けるべきだったかもしれない。
●Feddie McGregorが37作目と思われる(僕はもうカウントすることをあきらめている!)アルバムをリリースした。『Coming In Tough』のプロダクション・クレジットにはBobby Digital、Stingray、Jah Ruby、そしてDalton Browneらの名前が記されており、Anthony B、Morgan Heritage 、Marcia Griffithsらがゲストとして参加しているようだ。そして、市場に出回るレゲエCDのうち2~3枚のうち1枚がTrojanレーベルからリリースされているように、このアルバムも息を吹き返した同レーベルからの発売だ。Trojanはかつてのオーナーから受け継いだ裁判沙汰やその他の問題をやっと片付けた模様。なぜなら、Trojanと法廷外で和解したBunny Wailerが将来のリリースをTrojanから行うとも言及しているからだ。
●ことわっておくが、写真家Kate Simonsの作品にケチをつけるつもりは毛頭ない。彼女の写真は『Reggae Times』『Reggae Report』、そしてアメリカとカナダで発刊されている『Reggae Beat』などの雑誌に使用され、1980年代前半にリリースされた何枚ものアルバム・ジャケットを飾っている。そして、他のレゲエ写真家のようにBob Marleyをレンズで追った。今までSimonsは、一部の著名なフォトグラファーのように荒稼ぎする行為は一切していなかったのだ。しかし、『Rebel Music - Bob Marley And Roots Reggae』という一冊で彼女もその一部の写真家の仲間入りをしてしまった。この本と他の写真集との類似点とはこのタイトルぐらいなもので、それ以外の全ての要素が常識破りらしい。まず、たった2,000部しか生産されないこの本の印刷や装丁が息を飲むほどに美しこと。そして、235ポンドという値段だ。しかし、デラックス版(これ以上どこを豪華にするのか疑問だが)を購入するには495ポンドも払わなくてはならない! もう賢明な読者の方々にはご想像がつくと思うが、僕はそのような高価な本を立ち読みする勇気がない。ご興味がある方は www.genesis-publications.com へ。
●7~8月のヨーロッパはフェス・シーズンだ。代表的なものに「Garance Reggae Festival」「Reggae Ska Festival」「Sun & Sounds」「JA Sound」「Solidays」「Reggae Sundance」「Rottom Sunsplash」「Chiemsee Reggae Summer」、そして「Summerjam」がある。今夏はMichael RoseとBlack Uhuruが一番人気のアーティストのようだが、Barrington Levyがいくつかのフェスに出演する予定だ。彼がツアーに出なくなってから久しいし、20年ほど前に僅か5分間の出演で500ポンドを稼いだ男を再び観れることは注目に値するだろう。
●この夏、事前チェックせずにヨーロッパ入りしてしまうと、レゲエ・フェスを見逃してしまう可能性がある。しかし、ジャズ好きならその必要もないだろう。夏のヨーロッパはジャズ・フェスがいたるところで開催されており、どこかで必ずジャズを聴くことができるはずだ。
That's All For Now, Folks, So Take Care Till Next Time....
(訳/Masaaki Otsuka)