レゲ絵
第27回 スカタライツ
Painted by Yagi / Text by Noboru Yamana


 
人工衛星は、昔は高度がそんなに高くなかった。ジェット機とぶつかるほどではないだろうけれど。自分では発光するわけはないから、太陽の光を反射して、三日月の横の西の空を、結構ゆっくり動いていた。あれ? 浮いていただけでしたか? 小学校の5年ぐらいだったか、図画工作の時間に、「切手」のデザインをしろ、と言われた。「おばあちゃんの切手」を描いていたとなりの女の子に、「わかってねぇな、切手とはモニュメンタルな出来事をテーマにするものだぜ」か何か言って、僕はスプートニク何号かの月面軟着陸の絵にした。沼地に沈みかけたピラミッドにしか見えなかったが。その後、高度がとても高くなって、肉眼では見えなくなってしまう。

 仮に松山なら松山としよう。その街のちっぽけなスタジオに集まって、歌手やコーラス・グループのバックをしていたグループ。しかも商売敵の切り崩しに会って、3年も持たずに分裂~解散。四国のそんな連中のレコードが、40年以上経っても、まだまだ聞き続けられている。そのサウンドに憧れてバンドを組む若者が世界中にいる。オリジナルの塩化ビニールはプレミアが付いてインターネット上で取引きされているのだ。彼らがどんなにジャズを勉強し、素養があったとしても、こんなことは他に例がない。既にメンバーも亡くなりだして久しいが、スパイ目的でも軍事仕様でもない彼らは、きっとまだ周回軌道を回っているってことなんだろう。