UK REPORT

Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND

Prince Marachi


Greetings Folks,
   
●2005年のスタートはイベントに関しては淋しいものだったが、面白そうなCD数点がリリースさ れたので紹介したい。Trojanから発売されたシンガー&プロデューサーKeith Hudsonの『The Hudson Affair』は、彼の久々のコンピ・アルバムだ。この2枚組に収録されている55曲の大半は読者にとって価値のあるものばかりといえる。収録曲の殆が廃盤になっているため、オリジナルのアナログ盤を探すことは非常に難しく、それを考慮すればコストパフォーマンスが非常に良いといえるだろう。しかし、曲数が多いために同じリディムを何回も聴くハメになることがタマにキズである。HudsonはVirginとGreen-sleevesからリリ-スされた曲が商業的成功を収めつつあった時期に不幸にもガンで他界してしまった。Sky Highからも『Keith Hudson's Greatest Hits』の発売が控えている。

●UKでラヴァーズ・ロックが盛り返す中、Peter Harrisが主宰するウェスト・ロンドンのNotting HillにあるKickinレ-ベルから『The Lover's Rock Story : The Best Of The Early Years』をリリースした。Peterは1973-78 年にかけUKで第一線で活躍していたプロデューサーであり、DIP、Eve、Serious Business、Rama、Lover's Rock、そしてLucky等のレーベルを立ち上げたDennis Harrisの息子だ。このコンピは当時Dennis Harrisの仕事仲間だったDennis BovellやギタリストのJohn Kpiayeら(後にLinton Kwesi Johnsonの制作チームに加入)の協力により制作され、恐らくシリ-ズ化されるものの第1弾リリースだろう。Dennis HarrisがNiney、Lee Perry、Yabby U、Alvin RanglinやWinston Rileyなどのプロデューサーと関わっていたので、これからのリリースが楽しみだ。『The Lover's Rock Story』はUKスタイルのラヴァーズ・ロックを包括的に捉えた好企画であり、きっとLittle TempoのTicoも喜ぶに違いない。

●プロデューサーBunny "Striker" Leeの作品は、世界中で発売されている様々なコンピで聴くことができる。しかし、裏を返せば、彼の曲はコンピでしかお目にかかれないということでもある。そこで、Jetstarが彼のチューンのみを集めた『The Striker Lee Story』をリリースしたのだが、レゲエ初心者以外購入の必要はないだろう。

●XterminatorやStingrayからの『Runaway Slave』で成功を収めたUK在住のシンガーPrince Malachi が、BedfordのBlackmixレーベルからリリースを開始するらしい。このレーベルは才能豊富なロ-カル・アーティストを紹介するために1980年代に創設された。そして、今では国内外のアーティストの作品をリリースするルーツ系のリーダー・レーベルとして確固たる地位を築いている。MalachiのBalckmixデビュー盤はコレクターやDJに人気の10インチで、彼の声に似合った濃い内容のチューンだ。

●もう、僕の所にはGreensleevesからプロモ盤が送られてこなくなった。僕がいつも彼らの殆どの新作を否定的に紹介しているからだと思う。だから、Gregory Isaacsの最新作『Masterclass』がどのようなモノかは分らない。10年以上も前にレ-ベルのChris Cracknellが「もうリリースが溢れているIsaacsのアルバムはGreensleevesから発売しないだろう」と僕に断言していたのだから不思議なのだが。ここでGregoryについてのトリビアを一つ。彼がGussie ClarkeやMikey Bennettと共にレコーディングをしていた頃、彼らはGregoryがスタジオに着いてからその日録音する曲名を明かしていたらしい。もし、前もって曲を教えていれば、彼は他のプロデユーサーの元でその曲を吹き込んでしまう恐れがあったからだ!

●日本での状況は分らないが、UKではStudio One商品をロンドン以外で入手するのが非常に困難になってきた。僕が指すところのStudio Oneというのはどこでも買えるHeartbeatやSoul Jazzからのリリースではなく正真正銘のStudio Oneリリ-スのことだ。ロンドン以外でStudio Oneを購入できるショップはBrixtonのSupertone RecordsやClapham JunctionのDub Vendor位で、あとはネットに頼るしかないというのが現状だ。

●Tony Rebelが1月に12回目となる『Rebel Salute』ショーをジャマイカで開催した。今回のショーは「The Homecoming Of A Legend For 2005」と題され、長年ジャマイカのステージから遠ざかっていたJimmy Cliffがメイン・アクトとして登場した。既にジャマイカ主要イベントの一つとして定着した感があるこのショーにはMorgan Heritage、Mutabaruka、Anthony B、Luciano、Richie Spice、そしてSly & Robbieらも参加した。ライヴは本来音楽を楽しむものとして、『Rebel Salute』ではアルコールの販売はされなかった。デビューして20年以上経っても彼は全く衰える気配をみせない。Rebelは僕が一番肩入れしているアーティストの1人であり、いつもリスペクトしている。

 
That's All For Now, Folks, So Take Care Till Next Time....
 
(訳/Masaaki Otsuka)


Dennis Bovell & Linton Kwesi Johnson