RAGANUTS
Jam Tek & DJ Bana
Text by Naohiro Moro / Photo by Shun Inoue
「ラガナッツ」というパーティーを知っているだろうか? 東京近郊のレゲエ好きなら大抵の人が、それ以外の人にも今ではかなり知られているだろうと思う。渋谷のクラブ「ナッツ」において、毎週日曜日に開催されているレゲエのイベント。内容は週替わりで、ジャムテック、DJバナ、マイティ・クラウンのスーパー・Gとコージ、インフィニティ16、インディペンデント、キャプテン・C20XX、バンジー、佐川修、といった面々がレジデンツとしてプレイし、加えてスペシャルな企画が組まれることも多い。驚くべきは日曜にも関わらず、毎週500人規模(もちろんバラつきアリ)の集客を実現している点だ。その魅力はいろいろあるとは思うが、大きな要素のひとつとして(他のジャンルでは珍しいことではないが)、第三者的な立場のオーガナイザーがイベントをコントロールし、自由な雰囲気が保たれていることが上げられると思う。だってサウンドが主催のイベントだと、どうしても「我」が強く出ちゃうじゃん。ま、それがいいところでもあるんだけどね。
で、その「ラガナッツ」の名前を冠したコンピレーションCD『Raganuts Vibz』が2/23にリリースされた。曲をセレクトしたのは、ジャムテックのビガ・CとDJバナ。音源はイギリスの名門レーベル「グリーンスリーヴス」から。21曲収録したコンピと、それのミックスCDからなる2枚組だ。80年代から良質な音源を提供してきたグリーンスリーヴスらしさ。新しい曲一辺倒ではなく、一晩通してトータル・ナイスネスを構築するラガナッツらしさ。そして選曲した2人のセレクターの「らしさ」をもキッチリ感じさせる好内容になっている。
で、その2人について簡単に。
ジャムテックは活動歴13年を誇る横浜のサウンド・システム。パーティーのツボを押さえた選曲と同時に、自らのレゲエ本能に赴くままのマニアック・チューンをもフツーに聞かせるイカす男たちだ。現在メンバー中の2人が長期ジャマイカ滞在中。再合流した時のパワー・アップが楽しみである。その留守を守り、今回のコンパイルを担当したビガ・C曰く、「このCDは、もちろん新しめのダンスホールも入れたけど、昔っからレゲエを聴いてる人には結構懐かしいと思う様な曲とか、“久々に聴いたけどやっぱいいじゃんこの曲”みたいなのも入れた。若い子には逆にそういうのが新鮮に聞こえればいいと思ってる」とのこと。
もう一人の選曲者、DJバナはご存じの通り、電波を通じてレゲエ・シーンを拡張してきた功労者。ラガナッツのレギュラーになって以来、セレクターとして現場に大きくシフトしたとも言えるだろう。そのバナ曰く「ラガナッツのドア・オープンからクローズまでを短い時間に凝縮した様な選曲を意識しました。CDを聴いて、いいなと思ったら是非現場に遊びに来て下さい」とのこと。
とは言うものの「東京近郊じゃなきゃ易々とは行けねぇよぉ~!」という人に朗報。このCDのリリースを記念して、2月からゴールデン・ウィークにかけての全週末を使って、ラガナッツは、20カ所近くを回る全国ツアーに出る模様。ビガ・C、バナは当然、他のラガナッツ・メンバーも同行。場所によってはアーティストも同行。ツアー先の地元サウンドともリンクし、そのリンクはツアー後の渋谷ナッツにもフィード・バックして行きたいとのこと。なな何と。詳細はウェブをチェック。
結論。「春はあなたの街でもラガナッツ!」
"Raganuts Vibz"
V.A. Mixed by
Jam Tek & DJ Bana
[Toshiba EMI / TOCP-64267-8]