(U KNOW)What the deal is
ブッシュ再選で、意外と思っている人が意外に多くて、まだまだ正義を信じている人が多いのは嬉しいが、世の中、そう正義は残っていません。勿論、現行政府である共和党もとても巧妙で、アメリカのパラノイアを増長させるのに、ビンラディンのヴィデオを選挙前に公開したり、マイケル・ムーアを弾圧したりと余念がなかった。経済界は、ブッシュが続かないと困ると言うのは明らかで、これからもエネルギー会社、運輸会社、複合企業の時代は続きますね。つまり、弱いものイジメが続くと言うこと?
●今月のロッカフェラ
そんな複合企業の一つである彼らが10周年を迎えた。開業当時は、ジェイZという一枚の看板のみだったが、今や映画、ファッション、レコード、電化製品(ロッカフェラ版のポータブル再生機を発表)、なんとウォッカまで売っている。そのアニヴァーサリーが、11/3、ニューヨーク大学講堂で行われたのだが、アーティストが増えていて驚かされた。以前からロッカフェラからレコードを出していたレル、ニコルなどのパフォーマンスに、今後のリリース予定で、MOP、ノリエガ、キャムロンのスニーク・プレヴューなど20曲が披露。カニエの新曲ヴィデオと、新製品紹介など盛りだくさんのイヴェントとなった。まるで、会社の納会のりの会場だったが、いつからヒップホップ的なウォッカなんてあるのかな?
●今月のジャム 1
MFドゥーム、MFグリムなどを擁するモンスター・アイランドのインハウス・プロデューサー、ダブLのアルバムリリースを記念して、ダウンタイムというクラブでパーティが、11/2に行われた。アルバム収録アーティスト、ロダン、ロード・スコッチを含むモンスター・アイランドの面々に、ジェミナイ、そしてプロフェッサーXなどが顔を見せていた。彼らが主催するデイ・トゥ・デイから、今後、ロード・スコッチの初のソロ!と、ロダンのEPがドロップされる予定らしい。メジャーが崩壊する今、こういったブラック所有のレーベルが次なるシーンを担う事を祈る?
●今月のジャム 2
マンハッタンは、アヴァロンなるクラブで、ヒップホップの最初のMCの一人とされるラヴ・バグ・スタースキー(写真、Photo By Silent Assassin)と、自らヒップホップには関係ないというリー・キニョーンのショウが11/4に行われた。リー自身のファッション・ブランドの立ち上げを祝うという趣旨のこのパーティだが、新旧のヒップホップ・アーティストがパフォーマンスを行い、多いに盛り上がった。スタースキーは、古さを感じさせないプレイを披露、サウス中心の最近のセットも誰よりも完璧だった?
●今月のテロリスト
テロリストとか、テロとか、簡単に言われる時代になったが、背景を良く考えると、誰が本当のテロリストか分からない。巨大な資本力をバックに巧妙に崩されていっているイラクやイランなどの自由戦士達を、簡単にテロリストと呼んで良いものかわからない。彼らが対等に戦争出来る力があれば、テロという手段に出ないというのは明らかで、情報操作や身代金目当ての便乗組で、彼らの印象が変わっているのも事実である。そのアメリカの大親分、ブッシュの命に懸賞金を掛けているノルウェーのラップ・グループが運営するサイトが、今問題となっている。www.killhim.nuが閉鎖されて現在見る事は出来ないが、そのサイトでは「ヤツを殺す事は、何よりも正しい」と歌い、英語でブッシュを攻撃するラップも聞けたが、オスロ当局がこの度、介入、もちろんアメリカ当局からの圧力という見方が強い。ちなみにこのグループ、Gatas Parliamentは、www.gatasp.noでチェック出来る。日本でも、Kダブ辺りにブッシュの死刑宣告して欲しいもんだね?
沼田 充司
DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]