Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND
Horace Andy
Greetings Folks,
●Burning Spearの古いモノをお探しの方に朗報だ。Studio Oneからイシューされた2枚のアルバムを持っていなかったら(又は、リミックスされたLPやCDしか持っていなかったら)Soul Jazzから最近リリースされたアルバムはマストアイテムだ。『Sounds From The Burning Spear』は2枚のLPプラス「This Population」、「New Civilization」などの優れたシングルが収まっている。今、これらのチューンを聴くと別にこれといったトガった感じはしないが、Burning Spearは1980年代からレゲエ・グラミー賞に毎年のようにノミネートされている大御所なのだ。1969年位からこれらのシングルはリリースされ、当時、それらは新鮮でヴァイタリティに満ち溢れたものとして受け入れられた。Coxsoneが再プレスの度にミックスでソフトさを加えてはいるが、レゲエの世界的シンガーの“形成期”に作られたチューンの数々をドキュメントしたこのアルバムは、現在流通している彼のコンピもので最高のものだろう。残念ながらこのSoul Jazzからの一枚は、次々とリリースされる彼のライヴ・アルバムの中に埋もれてしまうかもしれない。Nocturneから発売された『Live In South Africa』は、Burning Spearのライヴを忠実にドキュメントしたもので、それ以上でもなくそれ以下でもない。過去20年に渡り彼のライヴを観てきて言えることだが、どの曲もテンポが早すぎると思う。ヴォーカルは相変わらず素晴らしいのだが、その声とペースがどうしても釣り合わないのだ。Soul Jazzに話を戻そう。『Studio One Classics』があまりにもベタなタイトル(もし、昔のHeartbeatからのStudio Oneコンピをお持ちなら)と感じるなら、『Studio One Funk』はどうだろう? あまり使い古されていないレアなチューンが見つかるはずた。
●僕の友人Kiddus Iが、1970年代からのシングルを集めたコンピを日本のDub Store Internationalレーベルからリリースしたと聞いた。日本では10月に発売になったはずだが、是非、海外発売も考えてもらいたいものだ。実は、『Rockers』で出演したアーティスト達がフランスのMakasoundレーベルからリリース予定の『Inna De Yard』というプロジェクトに参加しているという情報を得た。この企画はジャマイカのレゲエ・アーティストがアコースティックなセッティングで録音するという“Reggae Unplugged”のようなものだ。今まで誰も考えつかなかったのが不思議なくらい、非常にシンプルなアイデアだ。MarleyやJunior Delgadoが、似たようなものをリリースしてはいるももの、これほど大規模な企画は初めてだ。Kiddusはすでに50分ほどの音楽を録音済みらしいので、このコラムを読む頃にはリリースされているかもしれない。Earl "Chinna" Smithはこの企画で重要な役割を果たしており、彼はLinval Thompson、Winston McAnuff、The Mighty Diamondsの参加を打診し、The AbyssiniansのBernard Collinsにも参加を呼びかけたらしい。
●このレポート執筆時にはトリニダッド出身のシンガー&ソングライター、Queen OmegaがフランスをMafia & FluxyとDJ Lyricsonらと共に大規模なツアーを行っている。彼女はUKのレゲエ市場に多大な影響を与え、セカンド・アルバムが高評価を得ている。
●フランスといえば、Horace Andyが、引退を宣言したAlbert GriffithsとThe Gladiatorsと共にフランス各地をまわるツアーを最近成功させたばかりだ。
●もし、リーズナブルでいいヴォーカルモノをお探しであったり、近くのレコード屋がUKからのスタンダードなラインナップしか揃えていなかったら、Trojanから最近リリースされた2枚は必携だ。才能は確かだが、何故かイマイチ評価されないErrol Dunkleyの『Keep That Lovelight Shining』と『OK Fred, The Best Of Errol Dunkley』を探すべき。しかし、以前Cutting Edgeからリリースされていた素晴らしいSlim Smithのコンピレーション盤が日本でも手に入らない場合、という条件つきだが…。
That's All For Now, Folks, So Take Care Till Next Time....
(訳/Masaaki Otsuka)