レゲ絵 第19回
アルトン・エリス
Painted by Yagi / Text by Noboru Yamana
普段はキリスト様のことなど、全く関係ない暮しをしているくせに、クリスマスにかこつけてプレゼントを贈り、恋心を告白するなどというのは、罪がない。それにしたってだなー、『スタジオ・ワンからのクリスマスの御挨拶』とか、トロージャンの『箱』のリボンがかかってるデザインのとか、子供だまし度、高過ぎだろ。クラッシュのP・シムノンが、同グループがカヴァーしたり心底リスペクトしてた曲のコンピを組んで、来春発売になるそうだが、そこには「ブランド・ニュー・キャデラック」のオリジナルはもちろん、M・アリスン「ルック・ヒア」、ヤフオクで7インチ¥30k超のルーラーズ「ロング・エム・ボヨ」などに混じって、A・エリス「ダンス・クラッシャー」が入るらしい。こちらは期待して良いかも。
さっきCISCOのHPのストック・リストを見ていたら、アルトン・エリスのシングルって、20枚近く在庫があるんだね。そのスタジオ・ワンやトレジャー・アイル物に限らず。ほとんど常にそんな再発状態だとしたら、ジャマイカの歌手として信頼され続けた、新しいリスナーを生み続けたという点では、ナンバー・ワンかも知れないな。例えば彼が取り上げた「シッティング・イン・ザ・パーク」「ユーヴ・メイド・ミー・ソー・ヴェリー・ハッピー」「イッツ・トゥ・レイト・トゥ・ターン・バック・ナウ」に共通する、彼が得意としたムード、コード展開、トーン、あるいはキーに、日本人は押しなべて弱いのだ。