(U KNOW)What the deal is
VH1というケーブル局で、ヒップホップのパイオニアを讃えるシリーズの番組と、ショウが行われた。ショウは10/3、NYのハマースティーンという会場で、番組の収録を兼ね行われ、クール・ハーク、DJハリウッドなどが、その名誉と功績を殿堂入りとされ(もしかして、毎年のイヴェントになるのでしょうか?)、更に2パック、ランDMC、KRS-1、PEが、ゴールデンエラ賞なるものを受賞。トリビュート的に行われたパフォーマンスでは、テラースクワッドが「South Bronx」をやり、ナズが2パックの「Keep Ya Head Up」を披露。なぜ出て来るのか分からないが、キッドロックとビースティ・ボーイズも登場、ランDMCに敬意を払うつもりだったのか?
残念ながら、彼らの唱える歴史というのは、政治的で、商業主義なのが見え見えなところで、番組で組まれたドキュメンタリーでは、誰もがシュガーヒル・ギャングは作られたラップ・グループで、レコードも偽物と言っているのに、ここでパイオニアとして表彰されているという、なんとも矛盾したショウとなった。ハリウッドも確かにヒップホップに影響を与えたDJの一人ではあるが、多くの人々は、彼はディスコDJだったと証言している。グラフィティ、つまりライティングのパイオニア達も受賞はしなかったが、ここで名前が上がった。残念な事に、ファブ5フレディという、当時、トイだった男がパイオニアとして出て来た。厚顔無恥は、続く?
●今月のリユニオン
なんと、ア・トライブ・コールド・クエストのリユニオンの話が実現してました。散々、有る無いとそれぞれのメンバーが発言して来たア・トライブ・コールド・クエストが再結成していました。10月11日のフィラデルフィアを始めとして、ツアーが再開。アルバムも来年早々、ドロップの予定らしい。更にDJのアリのプロデューサー・アルバムも今年ドロップ予定。参加は、タリブ・クエリ、リースなど、想像出来るメンツ。そのアルバム・リリース・パーティを兼ねたCMJでのショウも今月の14日に行われる。行われた、となるのかな?
●今月のオールド・スクール
あちこちで取沙汰されているオールド・スクールだが、そのはしりの一人であるアフリカ・バムバータがなんと、ツアーを行う。死んだ筈のトミーボーイからアルバム『Dark Matter....』を10/5にドロップ、それをサポートするツアーを10/14のシカゴからスタート。一体、どういう内容のショウなんでしょうか?
●今月のドキュメンタリー
前書きでも述べたが、そのドキュメンタリーが日本で公開されるかどうか分からないが、どうしてヒップホップの歴史を正確にたどったモノは、出ないのだろうと思っている貴兄に朗報、というか手前味噌ですが、私もドキュメンタリーをフェイズ、シスコ・キッドなどの手を借り、製作しました。今のところ『We Was All Kings』という仮題ですが、来春公開の予定です。ハーク以前のムーヴメント、ライティングの本当のパイオニア、本物のBボーイのインタヴューや、過去の映像などを満載。当時のDJの選曲からのサウンド・トラックも興味深い物となったと自負しております。まだ、詳しい公開や手段が決まっていないので、協賛、配給などのお問い合わせも受け付けております。bfstnyc@nyc.rr.comまでご一報ください。
沼田 充司
DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]