(U KNOW)What the deal is
日本の友人達からメイルを貰う度、“ブッシュが再選するのか”という懸念の言葉を見るが、日本のメディアのソースは、殆どABC、フォックス・ネットワークという事をお忘れになっているのでは? フォックスは、大統領選の時に、一番にブッシュが落選ではないと訂正した局で、共和党とツルんでいるのは有名。方やABCは、オープンに共和党系の局としているので、説明までも無いが、でもその懸念も間違っているとは、一概に言えない。逆に、日本ではアメリカの共和党が勝たないと困る人達が沢山居る。なんか、沖縄の米軍駐留問題と似ている?
●今月のオールド・スクール
巷では評価が低いが、全てのラッパーがここからスタートしたと言っても良い位、ヒップホップの要素としてのラップ・グループの基礎を築いた6人、グランドマスター・フラッシュとフュリアス5が、やっとロックの殿堂入りを果たす。今年の殿堂入りが、9月初旬に発表されたが、ジェフ・ベック、アバ、オージェイズ、リンゴ・スターなどと共にノミネートされた。メリー・メル、カウボーイ、キッド・クリオールの3人で、スタートしたこのグループだが、彼らが全てのMCに影響を与えたとも言っても良いぐらいの功績が、やっと一般に認められた?
●今月のワッツスタックス?
コメディ・セントラルというケーブル局で、ショウを持つコメディアンのデヴィット・シャペルが、現代版のワッツスタックスを行うらしい。ワッツスタックスと言っても分からない読者が多いのだろうが、72年にレーベル、スタックスが、LAの黒人が比較的多い地区、ワッツにて行ったフリーコンサートなのだが、ソウル・ムーヴメントの真っただ中で、メッセージ性の強い企画で、やはり当時のコメディのキングだったリチャード・プライヤーをフィーチャーしていた。現代版は、シャペル・ショウでもゲスト出演済みのカンイエ・ウエスト(蟹江って書くの違う気がする)、コモンと愚妻エリカ、ジル・スコット、ブラック・スター、ローリン・ヒル!がブルックリンの謎のロケーションで、ブロックパーティ・スタイルで、パフォーマンスをやるらしい?
●今月のコラボ
なんと、ドクター・ドレと、去年、ロナルド・アイズレーとも共演したポップスというか、スタンダードの巨匠、バート・バカラック先生が共演する事になった。バカラック師は76歳らしいが、既にドレが提供したビートというモノが存在しているらしい?
●今月のサウンド・システム
先月帰国していたんだけど、そこで今までヒップホップ・ファンと自称していた連中が、口を揃えてヒップホップ駄目、今はレゲエと言っていて、閉口したが、そういう連中は、オリンピック期間中だけ、スポーツ・ファンになっているヤツらみたいなもんなんだろうけど、サウンドシステムの下敷きになって欲しいものです。そのNYサウンドの草分け、アフリカ・バムバータやイスラム、ビジー・ビーなどを輩出したと言われるディスコ・キング・マリオのトリビュートが、8/28、ブロンクスのローズ・デール公園で行われた。ビジー・ビー、先程のフュリアスのメンバー、シオドロとファンタスティックのメンバーなどが駆けつけ、マリオを偲んだ。新しいオーディエンスも、なんとなく誰かのネタとして聞いた事のあるオリジナルのビートにしびれていました?
沼田 充司
DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]