(U KNOW)What the deal is
実はこの原稿、日本で書いていて、参院選など個人的には興味深いです。月並みなのでしょうが、興味を持てる候補者がおらず、新聞で各候補の紹介などを読みましたが、有権者として投票したい人は、まず居ません。個人的には、現代の民主主義政権の下の共産党というのは興味がありますが、知人などの意見では、共産党は今一らしいと判明。同時期に、北朝鮮からよど号ハイジャック犯が帰国するという話もあり、感慨深いのですが、かつての赤軍メンバーなどは、政治や国家については考え抜いて来た人々であり、北での貴重な経験を生かして、なにか改革に役立つ様な柔軟な日本にはならないのでしょうか?
●今月のリユニオン
決して解散はしていないのだろうが、オリジナル・メンバーの不仲が理由で、再結成の噂だけが10年に渡って流れ続けているウルトラ・マグネティックがリユニオンとなる。実は、過去のアウトテイク集をタフ・シティに売ってしまったセド・ジーが不仲の原因だったらしいが、このジー氏がファクトシェンなるレーベルを立ち上げ、そこからアルバムをドロップするという事で、今回の再結成となった。このアルバム、オリジナル・メンバーのクール・キース、ティム・ドッグ、TRラヴ、モー・ラヴに加え、フィラデルフィア出身のグラフィックという新メンバーが、このアルバムからグループの一員となった。随分大所帯になったが、ここの所、若いオーディエンスにオールド・スクールと呼ばれる80年代後半のアーティストの活動が増え、ある意味で、ヒップホップ界の再浮上を望みたい?
●今月のス二―ク・プレヴュー
カンゴール・クルーのデイナ・デーンが、アルバムをドロップする。一時は、どういう訳かマドンナのレーベルからアルバムを出していた彼が、6年振りのフル・アルバムを制作、8月にはリリースの予定。カンゴールのメンバー、ロード・スコッチ、最近、プロデューサーとしてビッグ・ダディ・ケーン、ブラック・シープなどと仕事をしているクワメなどが参加しているらしい?
●今月のBET
私が今日本に居る一つの理由がこれなのだが、6月はブラック・ミュージック・ヒストリー月間で、それにちなみ、ケーブル局のブラック・エンターテイメント・TVが、世界的となったヒップホップの特番を組んだ。珍しいところでは、パレスチニア、キューバなどのラッパーも取材したこの幅広い番組で、日本からも童子T、ダボ、ヴァーヴァルなども取材に協力してもらった。番組は、日本ではオンエアされないと思うが、bet.comで、インタヴューや紹介は見れる。将来的に、日本人ラッパーが本場に上陸する日も近い?
●今月のチャックD
今月の写真でもあるチャックD(88年のロンドン公演にて/沼田撮影)が、なんとケーブル局をジャックしている。トリオという文化系チャンネルで、7月の第一週を、チャックがプロデュースし、彼が選んだアメリカのアフリカ系の闘争にちなんだ映画、チャックがプロデュースしたというドキュメンタリーなどを放映しているらしい。最近は、スポーツ用品ブランドのCM制作などにも絡んでいるボム・スクワッド、今後も目が離せない?
●今月のロック・ステディ
毎年、そのアニヴァーサリーを市営の公園で祝っているロック・ステディが、今年は市の許可が降りず、断念を余儀なくされている。年々、金権主義となってきたこの企画だが、ここで原点にもどる良いチャンスとなったのでは?
沼田 充司
DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]