UK REPORT

Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND

Ini Kamoze


Greetings Folks,
   
●1980年代前半に数枚のアルバムをリリースして以来、それほど目立った活躍がなかったIni KamozeがR&Bスター、Beyonceを訴える準備をしているらしい。その理由はSean Paulとのコンビネーションで大ヒットとなった彼女の「Baby Boy」にIni Kamozeのオリジナルである「Hot Stepper」中のフレーズ "I'm stepping in hotter this year" が勝手に使われているからだ。「Hot Stepper」はXterminatorのFatis Burrellのためにレコーディングされた曲で、リミックスされたヴァージョンがIni Kamoze唯一のインターナショナル・ヒットとなった。彼の弁護士はかなりの額を要求しているらしい。レゲエ界では、この例よりお粗末なメロディやリリックの引用は日常茶飯事であり、別に大騒ぎの必要はないと思うのだが…。

●商業的に大成功を収め、全く働く必要がないと推測されるWayne Wonderがフランスのラッパー、Boobaとコンビネーション・チューンをカット、その曲がBoobaのニュー・アルバム『Pantheon』に収録されているらしい。もしかしたらこの曲はフランス以外のラジオ局で頻繁にプレイされヒットになるかもしれない。しかし、UKでは英語以外の曲のオン・エアーについて積極的ではなく、流行るかどうかは未知数だ。

●最近この世を去ったジャマイカ音楽界のベテラン・アーティストのリストにBarry Brownの名を加えなくてはならない。私が掴んでいる情報は彼が5月30日に死去したということだけで、死因は不明だ。彼がロンドンにいた時は私の近所に住んでいた。既に亡くなってしまったが私の友達だったDevon Russellは“キチガイ男”だと初対面の僕にBrownを紹介したのを覚えている。確かに彼の行動はゲットーのライフスタイルを知る者にでさえ、奇妙に見えたに違いない。彼は僅かな数のヒット曲とStudio Oneからリリースされるであろう未発表のアルバムだけを残していった。

●Studio Oneといえば、Dodd氏の死の直前に、初めてその伝説的スタジオでレコーディングしたアーティスト達がいる。The Congosの前リーダーだったCedric MytonとThe Mighty Diamondsといったルーツ系の大御所達だ。彼らの曲がリリースされるのが待ち遠しい。Doreen SchafferのStudio One初アルバムも登場する予定だ。彼女がレーベルにチューンを吹き込んでからなんと40年目の快挙だ!

●Kevin LyttleとSpragga Benzのデュエット「Turn Me On」が、この原稿を執筆している時点でデンマークとオーストラリアのチャートでNo.1を獲得している。

●映画やテレビのサントラにスカ/ロック・ステディ/レゲエ・インストのスタイルを持ち込んだButlers(グループは既に解散)のアルバム『Wanja's Choice』はファンに朗報だ。そのButlersの元メンバーを含む重鎮ミュージシャンらでベルリン結成されたLionsclubが『TV And Movie Themes』という作品をPork Pie Recordsからリリースした。タイトルはイマイチ魅力的ではないが、興味のある読者はwww. porkpieska.comで情報をチェックしてみてはいかがどうだろうか?


 
That's All For Now, Folks, So Take Care Till Next Time....
 
(訳/Masaaki Otsuka)


The Mighty Diamonds