レゲ絵 第15回
ジャッキー・ミットゥ
Painted by Yagi / Text by Noboru Yamana
聞こえるかい、僕の鼓動が。感じるかい、僕の体温を。そばに来ているんだ。カーテンを開けて、窓から覗いてごらん、ハハハ、怖がらなくていいんだよ。夜はきっと毎晩ここに来る。約束するよ、君を守っているのさ。寝苦しい満月の夜は必ずね。
僕は死んじゃいない、あんなニュースは、全て嘘っぱちだったんだよ。でもズクに生まれ変わるとは、自分でも思ってなかったな。おっと、写真は嫌いなんだ、赤い目が光ってしまって写らないからね。だから撮らないでおくれ。今ではもう、仲間と鳴き声で挨拶することしか出来ないけれど、ちっともかまわない。音楽の贈り物は、君たちに十分届けたはずだろ。そうだ、僕がカナダで作っていた頃のレコードが一番高いんだって聞いたけど、本当かい。だとしたら、フフフ、笑っちゃうよ、アフロヘアでディスコ・ミュージックをやっていたんだから。おまけに僕はもう、歳を取らないみたいなのさ、写真はだからダメなんだ。
ロンドンでお土産にフクロウの置物を買った時のこと。「親父が集めてるんだよ」と言ったら、店員が何て答えたと思う? 「生きてるヤツか?」だってさ。んなわけねーだろ。どうしてやつらは、そんなこと「しか」言わないんだ?
ジェイコブ・ミラーが今どんなか知っているかい。まいったぜ、やっこさん、今、キノコなんだよ、毒キノコ! 後ろの森にゃライオンに化けたボブもいる。どうして笑うんだい?