ジャマイカで、今ちょっと注目なスポーツが、サーフィン。
　ジャマイカは日本ほど盛んなスポーツの種目が多くない。有名なのは陸上。若い層には圧倒的にサッカー、そしてバスケット。イギリスの植民地だったジャマイカには、野球がなくて代わりにクリケット。珍しいところではポロ。女の子にはネットボール（ハンドボールのような球技）。10何年も前はローラースケートが流行ってて、モベイのボトムロードをローラースケートで走るジャメーカンをよく見かけた。一輪車も流行ってたことがあって、ピーター・トッシュやアーリーＢがレコード・ジャケットで雄姿を見せてるでしょ。

　「ジャマイカでサーフィンって、波ないでしょ、どうやって？」。って、それがですね、地形的にはサーフィンに適しないけど、Jah Bless Jamaica、時によって、場所によって、波があるのよ。近日公開されたキマニ・マーリー主演映画『ワン・ラヴ』の監督が、遂にジャマイカでサーフィン映画を収録、その名も『ラスタ・サーフィン』！　『クールランニング』のような、ユーモアたっぷりの映画らしい。6月には俳優の坂口憲二が、ジャマイカでサーフィン！　テレビ東京の番組『この夏はわすれない』が放映された。島内でサーフィン大会も行われ、ジャマイカにはプロサーファーもいるし、サーファーたちは大人も女子も子供もそれぞれ国外の大会に出掛け、ジャマイカのサーフィンはかなりの盛り上がりを見せている。

　ジャマイカのサーフポイントをご紹介しましょう。
　有名なのがポートランド（ジャマイカ東部の教区）のボストン・ベイ。ここがジャマイカのサーフィン歴史のはじまり。外国から訪れるサーファーが、サーフボードをジャマイカ人に託して帰ったのが、ジャマイカ人がサーフィンをするきっかけになったという。ジャマイカで初めての黒人ジャメーカン・サーファーは、今もこのボストン・ベイで子供たちにサーフィンを教えながら、自分も愉しんでいる。このボストン・ベイは入り江になっていて、海も綺麗で雰囲気満点。ボストンといえばジャークですね。美味い本格ジャーク料理の本場は、このビーチのお隣りです。

　早くからサーフポイントとしてサーファーたちが集まったのが、通称Wreck（レック）。レックとは、キングストンの国際空港とポートロイヤルへの道の分岐点近くにある、灯台近くの難破船を指す。1950年代のハリケーンで座礁した難破船が、今も残っていい味出してるのがジャマイカらしい。その難破船にまで、LAルイスの落書きが。
　そしてLightbourne Corner、 Lighthouse、Lollipop、Copa、Nine Mile、Salt Ponds、Roselle、Prospect、Holland Bay、Long Bay。これらのポイントは、セントトーマスとポートランド地区にあって、見つけやすい場所です。

　'70年代中旬に開拓されたポイントがZoo、キングストンのハーバー・ヴューにある。キングストンの市街地から一番近いポイントなので、ココだけは場所案内もしちゃおう。内緒にしたい人いたらごめんね。ハーバー・ヴューのランナバウトからブルベイ方面に数100m。海側に面するDonald Quary Schoolという学校の、門の隣りの道を入ったところ。藪のような道なので、見逃さないよう。大きな石が目印です。ポイントの名前、Zooは、やたら色んな動物に遭うところだから。犬、マングース、山羊、牛、豚、それから申し訳ないけど、ワニまで。でもノー・プロブレム。今でもZooが、一番コンスタントにサーフィンできるポイントであることは確か。

　それからPeenie WallyとShark Cove、これらのポイントは、地元の人でもサーファーしか知らない場所。'90年代に入ると次世代のサーファーが続々出て、Makka、Prospect Middle ReefやYallahs Riverが盛んとなり、 最近はProspect Third Reefが発見されて、女の子サーファーも出現している。
　ジャマイカ中にサーファーは約100人。マタロン、マフーなど、さすがに有名ファミリーの子息の名前も並ぶ。ポートランド、セント・トーマス、キングストン地区で、レギュラーに波乗りするサーファーは30人強。サーフィンを中心にしたライフスタイルをしているほどのサーファーたちだ。

　そっか、じゃあジャマイカに行ってレゲエ聴いて波乗りして、ダンス行ってジャークチキン食べて、という図が浮かんできたでしょ。実際ジャマイカで、どうやってサーフィンをするか。一番の問題はボードよね。ボードをジャマイカまで持ってくるのは大変。今のところ、ボードを公式にレンタルできるところはナシ。サーフ・ショップもナシ。数年先にはサーフ・ショップができるかもしれないくらいの勢いで、ジャマイカのサーファーも増えているので、期待も大です。

　あとは足ですね。タクシーは高いけど、バスじゃボードは運べないし、歩いて行けるわけがないし、やっぱりサーフィンをしようと思えば足代はかかるでしょう。

　最後に、ジャマイカで行われるサーフィンの大会日をお教えしよう。

　7／17：ジュニア・チャンピオンシップ＠ポートランドのロングベイ、8／14：ナショナル・チャンピオンシップ＠Zoo、11／27：ナショナルチーム予選１＠Wreck、12／11：ナショナルチーム予選２@ボストンビーチ、2005年1／1：ナショナルチーム決勝戦＠Peenie Wallyポートランドのバフベイ。

　モア・インフォはアイランドツアーまで。


Text and Illustration by Reiko NAGASE SMITH
ext and Illustration by Reiko NAGASE SMITH
Ricoのジャマイカ★ArtLife：http://www.ricoart.com
協力／アイランドツアー：http://www.islandtour.jp