UK REPORT

Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND

Ninjaman


Greetings Friends,
   
●Sean Paulの人気が世界中で沸騰中だ。ジャマイカの麻薬・犯罪ギャングの一員出身者として初めてアメリカの『Vibe』誌の表紙を飾ったり、アルバム『Dutty Rock』で「Source Award 2003」を受賞するなど、その人気ぶりはますます加速している。それにあやかってMarcia Griffithsが彼女の最大のヒット曲である 「Electric Boogie」をSean Paulをゲストに迎えリメイクしたようだ。ところで、Sean Paulの独特のスタイルがかつてのメジャー・レーベルのホープだったSuprercatに似ているのをご存知だろうか? 例えば、NeptunesのCD『The Clones~』に収録の彼らのチューン聴いてみればその類似性に驚くだろう。

●自らのアイデンティに迷っているBritney Spearsが実は、Buju Bantonの熱烈なファンらしいとの報道があった。さて、彼女が彼とGanjaをシェアするまでに至るのだろうか?

●ヨーロッパでリスペクトされているアイヴォリー・コースト(アフリカ西海岸にある国)出身のレゲエ・ヴォーカリスト、Tiken Jah Fakolyが、この原稿を執筆している時点で次のアルバムをTuff Gongスタジオで録音中らしい。アルバムのプロデューサーには彼の前作と同様、WaIler'sのTyrone Downieがあたり、参加ミュージシャンにはSly & Robbie、Robbie LynやMikey Chungなどが名を連ねている。ゲスト・アーティストには(ブリトニーお気に入りの)Buju Bantonの名があがっている。そのBujuだが、最近、彼の庭でマリファナ約30鉢を栽培してたとして逮捕された。これで彼は、これまでマリファナ所持で逮捕されてきた数々のスター達の仲間入りをしたというわけだ。

●Ninjamanが武器違法所持で逮捕されたらしい。逮捕されることが彼の癖になりつつあるのだろうか?

●今年のグラミー賞、レゲエ・カテゴリーのノミネートは、Burning Spear『Free Man』、Wayne Wonder『No Holding Back』、 Buju Banton『Friend For Life』、Sean Paul『Dutty Rock』、 Third World『Ain't Givin' Up』だ。最後のThIrd Worldのアルバムについては見たこともないし、勿論、聴いたこともない。

●Prince Busterと日本のBadda Musicが最近、ロンドンのPortobello通りにあるパブで彼の新しいDVDの発売記念パーティを開催した。このDVDはBusterのキャリアを追ったもので日本のレーベルと彼との国際契約のもとで初めてリリースされる作品だ。読者の皆さんはもう予想がつくと思うが、すぐにこのレーベルからはBusterの膨大な曲を集めた数々のコンピレーションがリリースされるだろう。

●日本にいる大勢のLaurel Aitkenファンに辛いニュースを伝えなければならない。去年12月に心臓発作を起こした偉大なエンターティナーはその後、両方の肺を肺炎で冒され、この原稿執筆時点で、生存の確率はかなり低い。キューバで生まれ、Bobbyを兄に持ち、今年で76歳になるAItkenは『Live At Club Ska』というアルバムをTrojanからイギリス国内(彼は1960年代から住んでいる)で今年の1月にリリースするはずだった。このアルバムの発売を機にイギリス・ヨーロッパ・ツアーも控えていたが、彼の病状の悪化に伴いキャンセルされた。我々の思いはスカのグランド・ファーザーと共にある。

●ヨーロッパのNext MusIcと提携しているイギリスのJet Starレーベルが“伝説的なクール・ルーラー” Gregory IssacsのライヴDVDを初めてリリースした。少し前にロンドンのHolloway Roadにある有名なハコで収録されたDVDは『Live At The Rocket』と題され、Jet Starにとっては絶好の宣伝アイテムだ。しかし、シンガーとしてのピークをとっくに過ぎたIsaacsのパフォーマンスは彼のスタミナの賜物以外のなにものでもない。20年ほど前にBrixtonで行った彼のショーをフィルムに納めていなかったことが悔やまれる。そのライヴ・アルバムは非常にポピュラーになったのだが。

●西ロンドンにあるRexというクラブで行われるはずだったBounty KIllerのショーがいわゆるドタキャンを食らった! 10年前にShabba RanksとBuju Bantonのキャリアを危うく終わらせるまでに至らしめた同性愛圧力団体の仕業だった。Bounty KIllerの歌には反同性愛に値する歌詞がいくつもあり、それらが「殺人を誘因している」と圧力団体は主張していて英国警察にアーティストが入国した際に逮捕するように訴えたていたのだ。RexのスタッフとプロモーターはBountyがジャマイカからの飛行機に乗り遅れたせいだと主張しているが、果たしてどちらが本当なのか。

●イギリスのレゲエ・リスナーに随分前に忘れられていたアーティスト、Steel Pulseがここ数年で初となるアルバムをレコーディングしたらしい。このリポートが読まれている頃にはイギリスを除くヨーロッパ各国の店頭に並んでいるはずだ。なぜ、イギリス以外かというと、フランスのNocturneレーベルが発売元になっているからで、Steel Pulseは6月にパリで開催される「Grance Festival」のメイン・アーティストに抜擢されているのだ。勿論、これはアルバムのプロモーション目的の仕掛けにすぎないのだが。イギリスでは、彼らのアルバムをリリースするレコード会社を探すのに苦労しているようだし、僕の考えでは彼らをメインに扱うフェスティバルなど当分現れないように思う。

 
That's All For Now, Folks, So Take Care Till Next Time....
 
(訳/Masaaki Otsuka)


Burning Spear