まっ昼間、ラジオから流れてくるダンスホールの歌詞には、びっくりさせられる。こんなのラジオで流していいのかな、と思うリリックスがいっぱい。面白いので耳に入るたびに紙に書き出してみた。が、私には使える機会もなくて残念だ。そうかと思うとジャマイカは、TPOがはっきりしているから、日本よりうんと節操があったりしてよくわからない。
ジャマイカのテレビ放送では、煙草の喫煙でさえ御法度で、ドラマなどでは子供の登場もなく、ベッドシーンは警告つき。
先日はある携帯電話会社の新聞広告で、「Drop Lower Than Anybody Else」の宣伝文句で、他のどの携帯電話より通話料が安いと謳(うた)い、女性のきわどいローライズ姿をうつして問題となった。そのくらいスラックスものには厳しい。しかし一方で、ダンスホールものがテレビでも見られるようになり、ローカルのケーブルTVも盛ん。「No Nuh Head」のようにRETV(レゲエ・チャンネルのひとつ)から火がついてヒット・チューンとなるケース、今までにはなかったことだ。7インチレコードではA面にラジオで流せるヴァージョン、B面に放送禁止ヴァージョンを入れてリリースされるものがあるが、ジャマイカのダンスホールの位置付けは、この切り替えよりも甘くなっているようだ。
例えばショーン・ポールは、アメリカのテレビ局でもそのミュージック・ヴィデオが流れているが、リリックスには「♪グディグディジュ○ジュ○」とか、いいのかっ。この「ジュ○」は、セックス行為を意味する言葉で、ビーニ・マンもチューンの中で「プロパー・ジュ○」と使い、一般にもよく使われる隠語だ。バッドマンDJだけではなくセシールも、よく聞いてみるとそのリリックスはすごかったりするのね。ボウネタをクールにうたってる。それをTVJでも流していたりする。
さて、キングストンの、曜日ごと毎週ダンスがちょっと新しくなりました。今回は、ダンスホール・ファンのための抜粋です。毎晩ダンスホールなキングストン、Buck Yuh Up!
●月曜 HOT MONDAYZ(屋外)
ジャグリン・オールナイト。何度も場所をかえて、ハーフウェイツリー地区でやっているファイアー・リンクスのダンス。ご存知のとおり、最近はすぐキャッチしやすいダンスがはやっているので面白い。A Di Best, Trust Mi!
●水曜 PASSSA PASSA WEDNESDAY(屋外)
47 Spanish Town Roadときたら、SWATCHです。ゲットー・ダンス。タクシーも行きたがらない場所ですが、連れていってもらえるコネを見つけて、Catch Up Pon Di Passa Passa Ina Kingston!
●水曜 クラブJUICEのファイアーリンクス
ニューキングストンに今年できた、ヒップホップ系のクラブ。アサイラムと同じ通り。毎水曜にファイアー・リンクスがプレイする。
●木曜 MENTAL
おなじみ毎週木曜、ニューキングストンのクラブ・アサイラムでのストーン・ラヴ。今も、一番ポピュラーな場所です。It's All Good 2 Go!
●日曜 レイタウンのオールディーズ(屋外)
オールディーズ・ファンならここ。ダウンタウンのゲットー、レイタウンでのストリート・ダンス。ビーナスを中心に、週替わりでオールディーズのサウンドがプレイします。
どのダンスも盛り上がりは2時以降。明け方だったりします。いくら近くても歩いていくなんて無謀なことはしないよう。Up To Di Time, Down To Di Minute, Timeless なキングストンの夜をエンジョイ! U Good 2 Go!
Reiko NAGASE SMITH
(協力/アイランドツアー:http://www.nabra.co.jp/island/)
「Ricoのジャマイカ、Art Life」:http://www.ricoart.com
Ricoのジャマイカ、Art Life」
ricoのスケッチ・ダイアリが復活。
http://www.ricoart.com