レゲ絵 第5回  
リー・ペリー
Painted by Yagi / Text by Noboru Yamana


 
 僕が5~18歳の期間を過ごした茨城では、もちろん地元の「茨城弁」にいくらかは慣れていないと、生活出来ない。EDWINのジーンズを買いに行っても、洋装店のご主人が「井戸円」だと言い張れば、それを買うしかないのだ。これはまだいいが、イントネーションの問題になるとややこしい。僕の妹の小学校入学時の、簡単なテストにおける実話、我が家の伝説である。 
 
 「気になる物」は何か、と聞かれた彼女。示された絵の中から「時計」を選び指差した。ところが、質問した教諭の意図は「木になる物」だったらしく、正解はリンゴかみかんか。半分点をもらえそうなのは「お花」か、せいぜいクリスマスの「星」の飾り程度で、「時計」は明らかにバツだっただことろう。妹はその時、隣の席でアシスタントをやらされていた上級生が、ケゲンな顔をしていたのに、気付いていない。その子がすぐに「お宅のお嬢さん、1つだけ間違った」とわざわざ教えてにきてくれたのである。そーゆー、小学生時分からの「密告者」的態度こそ保守王国=カッペだっつーの。 
 
 気になる物=あなたの人生の命題? この絵描きは、犬をひっくり返すとどうして神になるのか、考え続けている。50年近くもだ。転じて(かなり)ヒトを殺すのはヒトだけ、という意味まで含めてのことだと、私信に書いてきている。