UK REPORT

Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND

Nereus Joseph


Greetings Friends,

●最初にTrojanのアンソロジーCD2枚組シリーズを見かけた時から、軽く鼻であしらっていたというのが正直なところだ。結局はこのレーベルの持つ音源は全てと言ってもいい程、折に触れてどこかしらで再編されたり、リパッケージされてきたのでは? 答はイエス、そしてノーだ。お馴染みの曲ばかりを集めたプレゼンテーションだけではなく、彼らは独自にまとめた歴史的概観の溝を埋めるような、長らく廃盤になっていた45回転盤を追い求めている。その良い例がLee Perry、Ethiopians、Gregory Isaacs、そしてKen Bootheのセレクションだろう。全てが年代順の構成になっており、他のどのレーベルのものよりも仕上がりは上出来。

●2001年8月に、創設者でありインスピレーションの源であったNeil Cooperを失ったものの、ROIR(Reachout International Records Inc.)がNYCのインディペンデント・スペシャリストであり続けることに変わりはない。現在はSon Lucasが采配を振るうが、脈打つようなトランス風に仕上がったBadawiのCD『Soldier Of Midian』に付いてきたプレス・リリースによれば、ROIRとは“中近東のパーカッション/オルタナティヴ・ダブ/ワールド”レーベルなのだそう。彼らがこれからも秘儀的でエキゾチックな音楽やスタイルを取り混ぜていくことは明らかだ。健闘を祈る!

●先月お知らせした通り、Augustus Pabloのかつてのサイドマン、"Boom" Donovan Greenが戻って来た。目下デビューLPに最後の仕上げを加えつつ、仲間であるEarl 16のサポートとして国内ツアー中。彼らがNewcastleで最近行ったギグのテープを聴いたが、どうやら全てはDonovanの目論み通りに運んでいるようだ。

●80年代のデジタル音楽を扱う、旧譜再発の新レーベルについて数カ月前に書いたのを覚えてくれているだろうか? Pressure Sounds Crewの資金援助を受けたこのインプリント・レーベル、Maximum Pressureの立役者はフランス人で、筆者の友人でもあるFabrice。『Flag Flown High』と題された第一弾もリリース済みである。綺麗に出来たプレゼンテーション・キットにも“Bobby Digitalのルーツものプロダクションの一番美味しいところを集約している”とあるがこれは嘘じゃない! Shabba、Coco Tea、 SanchezにAdmiral TibetからGarnett Silk、Morgan Heritage、Capleton、そしてYammi Boloまで、古いカタログの中から見事に適役を拾い上げている。次のプロジェクトは、Unity、World Records、Live & Loveその他のレーベルから80年代にリリースされた、Jammy'sの数多いヒット曲の中からのセレクション。

●オーケー、Leroy SibblesとBeres Hammondをかけ合わせた呼吸過多気味のような声だとしても、Glen Washingtonの喉が確かなことは認めよう。だが、最近の彼のリリースにはあまりにも薄っぺらいものが多過ぎはしないだろうか? Frankie PaulにYellowman、そしてGregory Issacsが毎月の様にニュ-・アルバムを発表していたいにしえのように? VPから出たGlenの新作『Your Love』は悪くなかったし、パッケージの見た目もなかなかの出来なのである。これは彼の今までのCDリリースには当てはまらない評価だ。だが、目立った点といえば最近のプロダクトがみな似たようなクオリティであることだけ。良質のマネジメントを確保し、年に1枚のキラー・アルバムを出していく方が、よっぽど息の長い活躍を見込めると思うのだが。

●そしてまた“Riddim Driven”シリーズでも大忙しのVP、アルバムごとに一つのリズムを起用し、違った曲を数多く収録するという形式は目新しいものではない。古くなるがChannel Oneの『The General』がベストの一枚として挙げられる。かつてこれらのコレクションはチープで、買っていて楽しかったものだ。今ではまるでこれ自体が産業と化しているが、現在も続くGreensleevesのシリーズ企画がその流行の大部分を担っているようだ。『Just Friends』はポピュラーなHeptoneのStudio Oneリズムを起用し、『Bondage』では「I Shall Be Released」「Mr. Brown Meets Number One」を収録、曲数もふんだんにある(このシリーズのためにGregory Isaacsが2タイトル曲とも歌い直している)。一方『Glue』はStudio Oneではないホットなダンスホールものを17曲収録。選り取りみどりのアーティスト達がこの豪華な共演の数々のために結集しているのであるが、これらのリディム、1、2曲聴いた辺りでもう、何でもいいから他のものが聴きたくなってくる!

●VPからの新アルバムはSanchez『Stays On My Mind』、そしてPam Hall『Time For Love』。なぜ彼らがこれまで常にトップに君臨し続けてきたのかを見事に示す出来ではあるが、両作品ともに、アーティストのヴォーカルや解釈面を更に未知の領域へと押し広げるまでには至っていない。

●最近銃を突き付けられて強盗に遭い、続いてDJ Villageを失ったことで、Elephant ManはすっかりUKを敬遠するようになってしまった。曰く、ここは危険過ぎるし、数年前の禁止令からうなぎ登りのハンドガン使用率が彼をますますUKから疎遠にしているようだ。
 Till next time, take care……