UB40
Overturns Cover Up
Interview by Takashi Futatsugi / Tranceration by Masaaki Otsuka
日本では既にラジオでバンバン掛かりまくってる三木道三との「Since I Met You Lady」が話題のUB40の最新アルバムが届いた。早速サックスのブライアン・トラヴァースにメイル・インタビュー。
●今、昨年の21周年記念ライヴを振り返ってみて如何ですか?
ブライアン(以下B):バーミンガムのNational Exhibition Centerで友達との素晴らしい時間を過ごすことができたよ。スライ&ロビー、フレディ・マクレガー、レディー・ソウ、クリッシー・ハインズ、そしてロバート・パーマー等が僕らと一緒に歌ってくれたんだ。コンサートは国連のエイズ・キャンペーンに10万ドル以上も寄付することができたよ。
●新作『Cover Up』を制作するにあたって考えたコンセプトは?
B:コンテポラリーなレゲエ作品を作るという考え以外に、これといったコンセプトは考えずにレコーディングに臨んだよ。まず、国連が僕らにエイズ・キャンペーンへの参加を求めた時にタイトル曲となった「Cover Up」を書いたんだ。この曲には本物のストリングスを使いたくてね。アレンジは(マッシヴ・アタックのアレンジを担当した)ウィル・マローンがやってくれたんだ。
●リリック的な部分について特に気に入ってる数曲をコメントして下さい。
B:僕はアルバムの中の殆どの曲の歌詞を書いたので選ぶのは難しいけど、強いて言えば「Look At Me」と「Cover Up」かな。
● UB40の″楽曲重視″的な部分は良い意味でずっと変わっていないと思いますが…。
B:確かに楽曲重視な点は昔から変わりないけど、リリックは非常に大切だと思っている。いつもポリティカルとは限らないけど、いつもただ単に "I Love You" ではなく、それ以上のことを言うようにしてるよ。最近はシリアスなリリックをスウィートなメロディで包みこんだりして、リスナーに受け入れ易いものにしているんだ。
●アレンジ的な部分で特に聴きドコロは?
B:僕たちがカヴァー・ソングをやる時には、メンバーにとってその曲に特別な思い入れがある曲を選ぶんだ。幼い頃のノスタルジックな思い出や、僕らが紹介、発展させていきたいオーセンテイックなレゲエだったりする。僕らはジャマイカの音楽のファンであることを誇りに思っているし、こうして活動を続けてきて色んなアーティストとも友達になれた。
実は今度『The Fathers (Of Reggae)』というコンピレーション・アルバムをリリースする予定なんだ。このアルバムはレゲエの先駆者やベテラン(グレゴリー・アイザイックス、マイティー・ダイアモンズ、ケン・ブース、ジョン・ホルト、アルトン・エリス)等の曲を収めてあるんだ。この夏にはリリースしたいと思っている。
●録音期間、録音場所について教えて下さい。
B:自分たちのDEP International Studiosでレコーディングしたよ。制作には時間をかけ、25曲の候補の中からアルバムに相応しい曲を選んだんだ。ウィル・マローンがストリングスのアレンジを担当して、そのレコーデイング風景は見ているだけで素晴らしかったな。レコーディングの最中はとにかく集中して、キチっとしているよ。大真面目でやっているわけではないけど、音楽に対してはプロの意識で臨んでいるんだ。
●相変わらず素晴らしいジャケットですが、アートワーク、タイトルについて詳しく教えて下さい。
B:「Cover Up」を書いた時、単にコンドーム使用の訴えを広めようと思っただけじゃなく、アフリカでのエイズ危機がまるで絨毯を被せたかの様に欧米には伝わってこないという事実を伝えたいと思ったんだ。真実が隠されている、つまり″カヴァー・アップ″されているわけだ。この危機の重大さが隠ぺいされている沈黙を世界の人が破らなければ、何百万人もの人が犠牲になる。アートワークはジリアン・リバーという女性イギリス人アーティストによるものだ。
彼女の絵画は「視覚的な祈り」とアーティスト自身が言及しているので、今回のアルバム、シングルのカヴァーアートにその意味深さや色使いがぴったりだと思ったんだ。バーミンガムの絵画展には彼女の絵が何回も出展されていて、非常に好評だったよ。
●「Since I Met You Lady」の企画を思い立ったワケは? またその人選はどうやって?
B:僕らの歌の外国語ヴァージョンのレコーディングを随分前からやっているけど、あまり成功した例がないんだ。そこで、その国の母国語を歌って、オーディンエンスの心をガッチリつかんでいる外国人アーティストとコラボすることを考えて、名があがったのが三木道三なんだ。彼と仕事ができて本当にラッキーだと思ったよ。彼をフィーチャーしたこの曲はバーミンガムでよくかかっているよ。
僕らは彼のレゲエ・スタイルが非常に好きなんだ。僕らが日本語を理解できないなんて関係ないよ。レゲエは国際語なんだから。彼とは将来ぜひ一緒にステージに立ちたいと思っている。「Cover Up」はズル(南アフリカの先住民の言葉)・ヴァージョンもレコーディングしたんだ。歌っているのは南アフリカのリンゴ・マリンゴーザだ。この歌は他にもDJ Nutteaによるフランス語ヴァージョンもある。オランダ語、インド語のヴァージョンもあるんだ。
●今までプロデュースしたアーティストで特に思い出深い人は?
B:音楽を通してアリ・キャンベルと僕は様々なアーティストと出会うことができた。ジャマイカでは本当に沢山の曲を作ったよ。僕らのダンスホール・アルバムやOracabessa 1ではモンスター・シャック、スケア・デム、ビーニ・マン、マッド・コブラ、ミスター・ヴェガス、レディ・ソウ等に出会った。スリラーUはナイス・ガイで面白いヤツだった。
オーバーヒートの石井が証言してくれると思うけど、彼とレコーディング中は笑いが絶えなかったよ。僕らはミュージシャンであり、僕らの人生がそのせいで非常に豊かなものになっていることについてラッキーだと思っている。楽器が持てないくらいにヨボヨボになるまではミュージシャンを続けていくつもりだ。
●今後の予定を教えて下さい。
B:4月からツアーがある。モーリシャス、インド洋のリユニオン・アイランド、南アフリカ、モザンビーク、そして中近東へ行く予定。次のアルバムの曲作りも始めたいと思っている。もちろん″日の出ずる国″日本にも行きたい。最新の電気製品やハイファイ機器を買いに行くのではなくて、昔からの友人に会ったり、おいしい日本食を食べにいきたいと思っているよ。
