
ジャマイカはキリスト教の国で日曜日が安息日なので、毎週日曜はお店などクローズし、街はひっそりしたものである。来た当初はその不便さと退屈さに戸惑ったものだがもう 慣れて、日曜をエンジョイしている。
日曜は国中でダンスホールを敬遠する日でもあり、ラジオも朝からゴスペルをかけ、 アイリーFMはスタジオ・ワン中心、クラブは普通オールデーズ・ナイトと徹底している。 曜日によって聞く音楽が違うなんてのは、いかにも音楽と共に生活するジャマイカらしい。 それでもダンスホール24/7!という人のために、日曜でもダンスはありますご心配なく。
日曜の朝に教会に行くのはジャマイカの昔ながらの風物詩なのだが、そんなジャマイカで、政府が爆弾提案をしたのが去年のこと。経済の活性化や高い失業率の問題を考えて、この長い習慣にピリオドを打ち、日曜日を「解禁」しようとする提案だ。最近は日曜でもオープンする店がふえてきたので、そろそろ実現可能かな、なんて考えたのかな。この提案に真っ先に反対したのは教会で、一般市民も賛成派は極少数のようだ。 なんだか現実感に欠ける提案だけど、失業問題は大きくて、悩むところよね。
ジャマイカは実に教会の多い国で、ひとつの町内に複数の教会があったりする。カソリックはほんの少数で、プロテスタントが圧倒的に多い。ファイアバンDJがカソリックの代表ローマ法王をファイアバンしても、誰も咎めようとしないのはこんな理由からだ。 ジャマイカは14のパリッシュ(教区)に、日本の都道府県のように分けられ、各教区の中心にパリッシュチャーチと称するアングリカン(英国国教)教会があるが、 アングリカンの人気は年々失せているようだ。
バプティスト、チャーチオブゴッド、ユナイテットチャーチ、アドベンティスト、ペンテコスタルなどが人気で、数年前まで多かったゴスペルを歌ってばかりの米国からのキリスト教新派は、消滅したところも多い。教会も人気商売だね。エホバの証人の教会は定着し、モルモン教の布教風景もよく見られる。
アップタウンでは、どこの教会に行くかは子供をどの学校に通わせるかと同じくらい重要な選択で、教会もひとつのステータスらしい。田舎では教会が重要な娯楽でありダンスと同じく社交場的存在だ。 皆、何を着ていこうか、子供に何を着せようかで楽しんでもいるし、牧師が妙にモテたりもしている。
日本人にはなじみが薄いけれど、各教会には特徴があり、地区や人種によって人気が分かれる。アドベンティストは反カソリック観が強く安息日が土曜で、金曜の夕方から土曜が過ぎるまでは 仕事をしない。もちろん庶民に大人気だ。ペンテコスタルはタンバリンや太鼓で教徒が皆でうたう。田舎にはバプティストとアフリカの土着宗教が結びついたジャマイカ特有の土着バプティスト教会が多く、陶酔して気を失ったりするのもこの教会に多い。
ジャマイカで教会といえば、 ボブ・マーリーやピーター・トッシュの曲によく登場する「ヒポクリーツ(偽善者)」や「ボールドヘッド」のイメージもあったりするが、これは昔から特権階級だけが会員になれた大きな宗派の教会を指すのだろう。 クミナ、ポコメニア、リバイバリスト、スピリチュアリストなどの土着宗教が、ラスタファリズム同様、ジャマイカの民衆文化をつくってきた。音楽やアートに多く影響が見られる。ジャマイカ人にとっての宗教とは、精神の拠り所というだけでなく、生活全てに関わるものだ。
選挙が今年中に行われるという事もあって、各政党は国民の人気獲得に躍起となっているから、現政府も人気とりを考えてかこの提案を保留にしているようだ。土曜の夜はダンスやステージショーに行って夜更かしするので、日曜はまさに安息の日、という人も、この提案に反対のはず。
じゃめーかないす、ゆーのー。